マイケル・キーン&ジョエル・スレムロッド「課税と脱税の経済紙 古今の(悪)知恵で学ぶ租税理論」みすず書房中島由華訳
本書でとりあげるのは数千年の期間に生まれた物語の数々である。
――はしがき脱税者にとって現金は王様だった。
――12 串刺しヴラドと穏便な徴税方法地球規模でいえば、いまや世界人口の約1%が世界全体の富の約半分を所有している。1980年代以降に、多くの先進国で所得格差が急拡大した。たとえばアメリカでは、上位15の超富裕層の税引前所得の全体に占める割合は、2012年までに2倍になり、20%に達した。
――15 来るべき世界の形
【どんな本?】
みんな税金は嫌いだ。だが政府はあの手この手で税金をむしり取りに来る。人々は税から逃れるために知恵を絞り、抜け穴を探す。政府も手を尽くして様々な事柄やモノに税をかけ、また抜け穴を塞ごうとする。両者は、はるか昔から知恵比べを演じてきた。
かように嫌われる政府だが、ソレナリに公平性にも配慮してきた。つまり、貧しい者からは少なく、富める者からは多くの税を取り立てよう、と。だが、特に富める者で、己の富を素直に申告する者は少ない。そこで政府はより正確な富の尺度を求めるのだが…
税金にまつわる様々な逸話を集め、よりよい税のあり方を考える、一般向けの歴史・経済の解説書。
【いつ出たの?分量は?読みやすい?】
原書は Rebellion, Rascals, and Revenue: Tax Follies and Wisdom through the Ages, Michael Keen and Joel Slemrod, 2021。日本語版は2025年1月16日第1刷発行。単行本ハードカバー縦一段組み本文約503頁。9ポイント48字×19行×503頁=約458,736字、400字詰め原稿用紙で約1,147枚。文庫なら厚めの上下巻ぐらい。
みすず書房のわりに文章はこなれている。全般的に内容も分かりやすいのだが、一部に難しい所がある。それは脱税や税逃れの手口を明かす部分だ。いわば詐欺のようなものなので、仕組みが面倒臭い上にややこしいのだ。
【構成は?】
各章はほぼ独立しているので、気になった所だけを拾い読みしてもいい。ただし、一部の用語、例えばVATなどは最初に出てきた所で解説していたりする。
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- はしがき/謝辞
- 第1部 強奪と権力
- 1 すべての公共のことがら
- ベンガルからボストンへ
- かつてなかったほどの不名誉
- ボリビアが内陸国である理由
- 天界の光に税金をかける
- 何もかもが税金のせいではない。しかし……
- 2 われわれが来た道
- 駆け足でたどる税金の長い歴史
- いくら?
- 戦争と福祉
- バベッジの悪夢
- 債務、債務不履行、そして君主たち
- お金をつくる
- 3 別の名前で
- エリザベス一世から周波数オークションまで
- 主権の売却
- 低賃金労働
無賃金労働/金持ちの戦争を貧乏人が戦う - 自分の役割を果たす
- (封建的な)税を納める
- 一線を超える
- さらにもう少し
ツテを頼る/愚行税
- 第2部 勝者と敗者
- 4 まずまずの公平性
- 串さし刑
人頭税とイングランド人/崇高な目的 - 公平性の追求
払っただけの見返りを得られるか?/納められるだけの額を納める? - サインを示せ
階級別の課税/コミュニティ別の課税/ぜいたく品に対する課税/経済状況の推定
- 串さし刑
- 5 財政の強大な動力源
- 巨人の仕事 イギリスの所得税
- ドレッド・スコット判決
- 激情犯罪とフランスの所得税
- 古い恐怖と新しい方向
- 6 誰でも平等に扱われるわけではない
- 女性らしさに対する課税
- 特殊な制度
- 改宗
- 部外者
見知らぬ土地のも知らぬ人/懲罰としての課税 - 難しい選択
- 7 留まるか、移り変わるか
- 誤ったスタート
- 他人の知見を盗みとる
- 忘れてはならないこと
- 君、10セントの1/20を都合してくれないか?
- ものごとは見た目どおりとはかぎらない
ワーキングプア(あるいは、彼らの雇用者に助けの手を差し伸べる)/非課税の地方債は抜け目のないリッチへの贈呈品か?/法人税の帰着は闇のなか - 全体像をとらえる
- 第3部 行動を変える
- 8 悪い行ないを改める
- 正しいことをせよ
家族の問題/知識に対する課税 - よい事柄よりも、よくない事柄に課税せよ
地球を救う/牛のおなら、怖い犬、かわいい猫 - 罪の報い
悪事/飲酒階級にとって忌まわしいもの/セックス/ドラッグ/だがロックンロールは別/不健康な生活 - ノーというだけ?
- 正しいことをせよ
- 9 巻き添え被害
- 創意工夫の後押し
奇妙なもの/線を引く - 超過負担
煙のないところに火はない/超過負担を知るために
- 創意工夫の後押し
- 10 ガチョウの羽根のむしり方
- 聖杯を探して
戦時利得者と法人税を再考する/土地をくれ、広い土地を/富の強制徴収 - ダメージの制限
イギリス一の才人/課税ベースを広げ、利率を下げよ(まあ、そうしなくてもいい) - 税制の形成
- どれだけの羽根を?
- 聖杯を探して
- 11 世界市民
- ライスプティングをつかまえる
- 税という嵐からの避難
- 金持ちはわれわれとは違う
すでに転居済み/他言しない - 虚偽の利益
「私があなたなら、ここはやめておく」/武器(レングス)よさらば? - 税を転がす
- 第4部 税金はひとりでに集まらない
- 12 串刺しヴラドと穏便な徴税方法
- 隙間に注意
いろいろな脱税犯/既知の未知 - ムチをたっぷり アメをちょっぴり
まず金をとる/大企業は税務署の友……/――そして、小規模事業者は税務署の悪夢である/情報が支配する - 信頼せよ、しかし確認せよ
- 納税者も人である
主義のための(公然の)脱税/正直さを政策にする
- 隙間に注意
- 13 誰かがやらなければならない
- いろいろな徴税人
- 誰が集める?
徴税請負制度(および徴税請負人)の隆盛と終焉/キックバック 合法と非合法/税の独立/収税業務の民営化/税務機関の規模は? - 税務のテクノロジー
- 第5部
- 14 税の喜び
- 財務大臣の夢
- 野獣を飢えさせる
- コヴェントリーからKストリートまで
ロビー活動の赤裸々なる真実/バター(と税額が同じ)ではないとは信じられない/課税によるチェーン店虐殺/ひとりの免税/課税してはならない イギリスにおける食料品非課税の400年 - 政府のゲーム
見えなくする/名前の意味?/しまった! - まずまずの成功といえる税政策
グッチ峡谷などから得られる教訓/VATの隆盛(と増税)
- 15 来るべき世界の形
- ナブーとユートピアの税制
- 現金の知恵の柱
納税者の反乱の理由が税金とはかぎらない/言葉に気をつける/昼食代を払うのはあなたかもしれない/ともあれ、課税の公平性は達成しがたい/課税とはよい代理指標を見つけることだ/租税回避と脱税に発揮される創造性/課税の最大のコストは目に見えないかもしれない/税はたんなる資金調達ではない/人は怖いから税金を払う/国家主権としての課税権は過去の遺物になりつつある/スローガンに注意 - 未来とその先
厳しい時代/素晴らしき新世界 - 彼らはわれわれをどう思うか
- 索引/原注/参考文献/図版クレジット
【感想は?】
歴史の本であり、経済の本であり、政治の本でもある。
読みはじめてすぐ気が付くのは、新しい税が出てくるキッカケの多くが戦争である点だ。それだけ戦争は政府の予算に重い負担をかけるのである。だが、逆に減税が反発を呼ぶ場合もある。
ボストン茶会事件の発端は増税ではなく、じつは減税だった。
――1 すべての公共のことがら
どういう事か。大雑把に説明すると。英国は紅茶の輸入に重い関税をかけていた。そこで密輸業者が栄えた。だが税が軽くなれば合法な紅茶が安くなり、密輸業者は干上がる。それで密輸業者は合法な紅茶を海に投げ捨てたのだ。改めて考えると酷い話だよなあ。
政府が関税をかけるには、幾つかの目的がある。その一つは税収を増やすことだが、国内産業を保護するためでもある。ただし…
自動車関税の導入により、低コストの輸入自動車は高コストの国産自動車にとってかわられる。すると国内の自動車メーカーは利益を得るし、政府は税収を得るが、消費者は、市場の自動車の数が減り、価格が上がることにより、メーカーと政府が手にする利益よりもよほど大きな損失を被ってしまう。
――9 巻き添え被害
米国のトランプ大統領は国内雇用を守る目的で関税を大幅に引き上げたが、物価は大幅に上がってしまった。日本も農産物・畜産物に関税をかけている。負担を消費者に押しつける格好だが、米国をはじめ多くの先進国は農林水産業に多額の補助金を出してる。それだけ国家にとって重要な産業なのだろう。
さて、政府が資金を調達するには、税金以外にも方法がある。例えば国債だ。だが、経済学的には税金と変わらないらしい。
国の借金は、じつは課税繰り延べの約束にほかならないのである。
――2 われわれが来た道
いずれ借金は返さにゃならん。その財源は、というと、やはり税金になるのだ。日本の国債はGDPの2倍を超えていて、とんでもねえ状況なのだが…
全世界で、公的債務の対GDP比は2019年から2020年に約15%から100%近くまで上昇している――先進国にかぎれば125%以上まで上昇しており、第二次世界大戦末期以来の水準である。
――15 来るべき世界の形
特にコロナ以降に跳ね上がったようだ。なお、日本の国債に限れば円建てなので、返済を楽にする方法はある。踏み倒すんじゃない。インフレにすりゃいいのだ。モノやサービスに対し円の価値が半分になれば、円建て国債の借金も半分になるのだ。他にもインフレは政府にとって嬉しい点が幾つかある。
ジョン・メイナード・ケインズ「インフレの継続過程によって、政府は自国の市民の富の重要な部分をひそかに、気づかれることなく没収できる」
――2 われわれが来た道
例えば所得税には基礎控除がある。インフレで円の価値が半分になれば、基礎控除額も実質的に半分になったのと同じだ。だから内閣も財務省もインフレを歓迎するんだろう。
他にも面白い税がある。例えば宝くじだ。
宝くじの歴史は古く、中国では漢王朝(前205~前187年)の時代に政府の資金調達の手段になっていた。
――3 別の名前で
日本でも競馬や競輪などの公営賭博は政府や自治体の財源になっているし、今調べたら宝くじもそうだった。税収としては美味しいんだろうなあ。
さて、税金を集めるのも政府の仕事だが、これが結構難しい。そこで民間の徴税人を雇ったりするんだが、他にも方法がある。
税はしばしば割当制とされてきた。中央の支配者が地方あるいは地域ごとに一定の税額を割り当てたのち、事実上、現地の課税方法の決定を現地の有力者に委ねたのだが、その際には中央からの指導にある程度したがわせてた。(略)
江戸時代の日本と帝政ロシアでは、納税は村ごとの集団責任とされていた。
――4 まずまずの公平性
個々の人または家ではなく、村単位で税額を決め集めさせたのだ。これなら一軒ごとに訪ねる必要もない。こういう「組織に税を納めさせる」のは賢い方法らしく…
先進国では、総税収の約85%が企業からの納付分である(源泉徴収を含む)。
――12 串刺しヴラドと穏便な徴税方法納税義務は比較的しっかりと組織立った事業者に負わせるべき
――12 串刺しヴラドと穏便な徴税方法
昔はクロヨン(→Wikipedia)なんて言われました。所得のうち、賃金労働者は9割、自営は6割、農林水産業は4割だけが税務署に把握される、そういう意味です。逆に税務署にとっては、大企業は歓迎すべきお客様なんですね。
源泉徴収の賢い点はとりっぱぐれがない点だけど、他にもあって。
人は、課税の機会が多く、1回当たりの支払額が少ないと、負担する税金の総額を実際よりも低く見積もる傾向にある
――14 税の喜び
分割払いだと安く感じちゃうんだよな、ヒトってのは。また、今じゃ給料は銀行振り込みが主で、社員に配るのは給与明細だけってのが多い。それだと給与額だけでなく所得税や社会保険料も数字だけなんで、税の重さを実感しにくかったりする。
ビンボな私としては「貧乏人からむしり取るな、金持ちから取れ」と言いたい。実際に多くの国で所得税は累進式になっているが、その最高税率は次第に少なくなる傾向にある。重税をかければヤル気をなくす、なんて説もあるが…
最高限度税率がたいへん高い――OECD加盟国では、2019年の法定個人所得税の平均最高税率は43%だった――のに、産業や努力が失われていない…
――5 財政の強大な動力源
もっとも、金持ちには貧乏人にない手段がある。
資産所得に高税率の税金をかければ、国内の資産が国外に出ていくだけ
――5 財政の強大な動力源
そう、国外への移住や資産の移転だ。昔のイギリスのロック・ミュージシャンは重税から逃れるため米国に移住する者が多かった。今はどうなんだろ? と思ったら…
プロサッカー選手、とりわけ高い年俸をもらう選手の就業決定が税制に大きく左右される…
――11 世界市民
やっぱりそうか。これが企業ともなれば、更に手口は巧妙になる。
スターバックス社は――一例に過ぎないが――この手を用い、イギリスの事業に関しては税金をほとんど納めていなかった。商標などの使用量をオランダの関連会社に支払い、コーヒー豆の納入および焙煎の代金をオランダとスイスの子会社に支払いつつ、本社自体は借金によって資金調達を行っていた。
――11 世界市民
税率の低い国に利益を集め、高い国じゃ赤字のフリをするんですね。賢いというか狡猾というか。多国籍企業が増えると、こんな手口もますます巧妙になるんだろうなあ。
とまれ、逃げようのない財産もある。その代表が土地だ。ただ、地主がその価値を正直に申告するとは限らない。そこで…
孫文は(略)課税目的で評価するうまい方法を考案したのである。(略)
納税のため、土地所有者は所有地の資産価値を自己申告する。政府はそれにもとづいて税金を徴収してもいいし、申告された価格でその土地を買収してもいい。
――10 ガチョウの羽根のむしり方
税を軽くしようと安く申告すれば政府に買いたたかれるし、高くすれば税が重くなる。なんと賢い、
最近の政府は金持ちから妥当な税をとるためハイテク?を導入している。
2010年にはギリシャ政府が警察用ヘリコプターを使って富裕層の住宅の航空写真をとった。すると、プールが1万6974面見つかったが、申告済だったのはそのうち324面のみだった。
――13 誰かがやらなければならない
これも今調べたらギリシャの債務危機が言われたのが2009年。その対策の一つなんだろう。
金持ちからむしり取れ、が貧乏人の叫びなんだが、こういう「誰からとるか」「どこからとるか」は政府にとっても難しい問題だったりする。経済学的には幾つか定説があるようだ。その一つは…
賃金労働が行われれば行われるほど、それだけ消費量が増える傾向にあるものに対しては、概してより低い税率を適用するのが得策なのである。(略)たとえば、児童ケアサービスには低税率を、スポーツ観戦には高税率を適用する…
――10 ガチョウの羽根のむしり方
とすると、働く世代の医療費は安くすべきなんだろうか。
もっとも、他の目的で税金を操る政治家もいる。
リチャード・ニクソン「やつ(IRS=内国歳入庁長官)には冷酷漢になってもらいたい。やれと命じたことをやり、見たい税務申告書を見せ、われわれの敵を捜査し、われわれの友人を見逃す。(略)嫌だというなら、この仕事をやめてもらう」
――13 誰かがやらなければならない
憎まれ役だなニクソン。まあウォーターゲート事件で辞任に追い込まれた人だし。
などと税金には様々な作用と副作用がある。税を納める者が実際に負担するワケじゃない。分かりやすいのが所得税の源泉徴収で、納めるのは企業だが負担するのは従業員だ。この面倒くさい構図を巧みに語ったのが…
彼(=ウィンストン・チャーチル)はつぎのように述べた。
ある教会が近所の貧困世帯に無料で食事をふるまうとする。貧困者が続々と引っ越してくる。すると、家賃が上がる。家賃の上昇が無料の食事の価値を帳消しにした視点で、貧困者の流入は止まる。最終的に、貧困者は利益を得られなくなる。利益を得るのは、以前よりも高い家賃をとれるようになった地主である。
――7 留まるか、移り変わるか
これを操作しようとするのが業界団体によるロビー活動だ。
ロビー活動の根本にあるのは、特定の税制措置によってほんのひと握りに利益が集中し、その他大勢にコストが分散されるという非対称性である。
――14 税の喜び
日本だと小泉純一郎による酒税改定で発泡酒なんてカテゴリができたとたんに小泉孝太郎がCMに起用されたのには呆れた。いずれにせよ、税を逃れる者がいれば、その分を負担する人もいる。
税負担は、課税対象の品目あるいは活動が何であれ、その代替になる選択肢をほとんど持たない者のもとに留まる傾向にある。
――15 来るべき世界の形
ちなみに「代替になる選択肢をほとんど持たない者」の代表が月給取りです。
もっと極端な税逃れが脱税。これの罪を軽く見ちゃいけない。
脱税は犠牲者のいない犯罪ではない。不特定多数の犠牲者が広範囲に分散しているのである。
――15 来るべき世界の形
私たちみんなが、その尻拭いをするハメになるのだ。
一般に税の副作用はロクでもない場合が多いが、意外なモノもある。20世紀初頭から米国ではチェーン店が発達し、小規模な小売店舗のシェアを食い始めた。これを憂えたカリフォルニア州は、1936年にチェーン店の店舗数が増えるほど1店舗当たりの税が重くなる制度を取り入れる。だがチェーン店もしたたかで…
チェーン店側が、「課税の影響を最小限にする良策を発見した。個々の店舗を統合してスーパーストアにし、全体の取引高がもともとの個々の店舗の売上高の合計を上回るようにする」
――14 税の喜び
スーパー―ストアの誕生には他にも幾つかの要因、例えば商品を自分で探し選ぶセルフサービスの導入などがあるんだが、税金もその一つだったとは。
このように、誰か。何かを狙い撃ちする税もあれば、逆に見逃す制度もある。その代表が宗教だろう。宗教と税には面白い関係が多い。有名なのがイスラム教国家の、イスラム教徒以外に課されるズィンミーだ。
「ズィンミー」(「経典の民」)は「ジズヤ」と呼ばれる税を課された。ズィンミーの範疇には、ユダヤ人とキリスト教徒のみならず、ヒンドゥー教徒、仏教徒、シク教徒、それにインドのムガル帝国のジャイナ教徒までも含まれるようになった。
――6 誰でも平等に扱われるわけではない
アブラハムの宗教じゃなくても経典の民と解釈する場合もあるのか。この辺は国や地域によって色々だりそうだなあ。
日本でも宗教法人は税法上で特別扱いしている。米国だと…
アメリカでは、キリスト教やユダヤ教などの宗教団体に寄付をすれば所得控除が受けられる。(略)
2011年、(アリゾナ州フェニックスのとある)教会では、「寄付」してくれた教区民の男性にシスターが愛を授けていた。
――6 誰でも平等に扱われるわけではない
現代の神殿娼婦…なわきゃない。しかし、よく考えたもんだ。他にも笑っちゃったのが…
390年以降、ローマ帝国ではキリスト教徒の皇帝によって同性愛の性行為が禁止された(違反者は火あぶりの刑に処された)が、男娼税の徴収は引き続き実施された。。
――8 悪い行ないを改める
さすが政府、課税に関しちゃ目ざとい。やはり課税に関する笑い話はある。
ウィリアム・グラッドストン「電気とやらに、どんな実用的価値があるんだ?」
マイケル・ファラデー「ほぼ確実に、あなたはこれに税金をかけるでしょう」
――9 巻き添え被害
たぶん、これはジョークだと思う。なんにせよ、政府はなんにでも税金をかけようとするのだ。その結果…
イブン・ハルドゥーン(→Wikipedia)「王朝の初期には税率は低く、税収は多い。王朝の末期には税率は高く、税収は少ない」
――14 税の喜び
なんて羽目になる。実際、本書の頭の方で出てくる税率を見ると、その低さに驚いてしまう。所得税の最高税額が10%を切ってたり。でも戦争の度に税が重くなっていくんだけどね。
日本でも今は消費税の期間限定の減税が大きな話題になっている。それで物価は下がるだろうが、代わりの財源をどうするかが難しい。まあ本書は教科書じゃないので読んでも解は見つからないが、この記事で挙げた逸話のように面白いネタは盛りだくさんだ。税制に関するトリビアが好きな人にお薦め。
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