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2025年5月28日 (水)

石川浩司「『たま』という船に乗っていた」ぴあ

そもそもソロの集合体だったので、音楽性自体もジャンル分けが不可能だったし。
  ――第2章 「かき揚げ丼」から始まった

【どんな本?】

 1990年代初頭の燦然と登場し、その怪異な風貌と当時の音楽の流行を一切無視した独特のサウンドで世間の話題をさらいつつ、デビュー曲「さよなら人類」をチャートのトップに送り込んだバンド「たま」。その「たま」のランニングことパーカッション担当の石川浩司が、デビュー前からイカ天出場、デビュー後の激変した生活からメンバー脱退そして解散からソロ活動までを綴った半生記。

 要はタレント本です。

【いつ出たの?分量は?読みやすい?】

 2004年1月29日初版発行。今は双葉社からッ改訂増補版が出ているし、コミック版もある。単行本ハードカバー縦一段組みで本文約273頁。9ポイント44字×14行×273頁=約168,168字、400字詰め原稿用紙で約421枚。文庫ならちょい薄め。

 ややクセの強い文章ながら、抜群に読みやすい。これは好みによるだろう。内容も分かりやすいが、それは私が当時の世情を知っているからかも。この本を読む気になるのは彼らのファンぐらいだから、どうでもいいか。

【構成は?】

 一応は時系列で進むが、気になった所だけを拾い読みしてもいい。

クリックで詳細表示
  • まえがき ランニングと坊主頭の秘密
  • 第1章 三岳荘11号室
  • 第2章 「かき揚げ丼」から始まった
  • 第3章 音楽仕事天秤時代
  • 第4章 イカ天で人生大逆転
  • 第5章 狂乱の一年
  • 第6章 恐怖の海外レコーディング
  • 第7章 4人はアイドル!?
  • 第8章 船からひとり降りた
  • 第9章 淡々タヌキ時代
  • 第10章 そしてひとりずつに。
  • あとがき デキソコナイの行進

【感想は?】

 タレント本に相応しく、週刊誌風のアオリで紹介しよう。

●高円寺のドン、爆誕!

●侵入と破壊のメロディ

●歌う前科者

●転売ヤー風土記

●やってきたG

●コスパのいいスタジオ

●敏腕エンジニア現る!

●ロックなスピード

●劇団コネクション

●イロモノの蟲毒

●ライバル登場

●あの人気バンドのメンバーに妻が!

●変貌する世界

●スターが事務所に所属する理由

●ジャイアント・キリング

●「私はコレで会社を辞めました」

●今、明かされる、彼らのルーツ!

●伝説を検証してみた

●こんな所に円高の影響が

●ぼくは扉を蹴破ることにした

●貴様、何者だ!?

●あの美人女優があられもない姿で!?

●俺たちはどこに行けばいいのだろう

●あと1回、あと1回だけ…

●「こいつら、本当に危ねえぜ」

●なぜ俺がこんな役に

●あの大スターに後ろから…

●類は友を呼ぶ

●なんで歌えないんだ?

●ランニング、箱物行政を語る

●そして三人が残った

●ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず

●所違えば…

●あの名曲にこんな秘密が

●俺だけ蚊帳の外

●何を持ち込むつもりだ貴様

 なんのこっちゃかわからんと思うけど、バイト先で仕入れたオモシロ話など、読者を飽きさせないサービス精神が溢れていて、実に楽しい本だった。告知の手段がDMだったり音楽配布の手段がカセットテープだったりと、インターネットが普及していないあの頃の風情もシンミリしちゃったり。また、ライブハウス中心の音楽家の暮らしも面白いし。

 彼らが聞いていた音楽も、「もしかしたらソッチの人ではないか」との疑いを裏付けていて、「やっぱり」と思ったり。

 そんなワケで、「たま」や「パスカルズ」のファンには嬉しい本だろう。

 にしても、「たまのランニング」で通じるのは凄い。私の知ってる範囲だと「AC/DCの半ズボン」「RAINBOWのリーゼント」ぐらいか。「KISSのチョンマゲ」は反則かな? 他に思いついたら教えてください。

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【今日の一曲】

TVアニメ「宇宙人ムームー」ノンクレジットED「さよなら人類」/さくらこ&ムームー

 この本を読むキッカケとなった、「たま」の名曲「さよなら人類」のカバー。まったく新しい録音ながら、原曲の魅力を存分に引き出した巧みなアレンジが素晴らしい。

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