SFマガジン編集部編「SFが読みたい!2025年版」早川書房
おまちかねSF者のお祭り本。
昨年に引き続きベストSF2024の国内篇は新人や若手が大活躍してる。しかも王道のサイエンス・フィクションに人気が集まっているのが嬉しい…って、読んでないけど。あと「ここはすべての夜明け前」がランクインしてるのも嬉しい。とにかく小説として強く訴えるモノがあるのだ、この作品は。
あと「SF評論入門」で「ナガサキ生まれのミュータント」が書籍になったのはめでたい。いわゆる文学評論とは全く異なる方向性だけど、緻密な調査と考察により、国と時代を越えた切ないドラマを浮き上がらせるのだ。
海外篇ではオラフ・ステープルドンの「最後にして最初の人類」に驚いた。これも草原々効果か。こんなモン書かれちゃったら後世の作家は何を書けばいいんだって感じの、SF最終兵器的な傑作です。
それと「まじめにエイリアンの姿を想像してみた」を挙げてる人もいる。やっぱり目をつける人はいるんだね。
とか言っちゃいるが、最近はSFを読んでないんだよなあ。SFマガジンぐらいで。でもマン・カインドは面白かったぞ。
そんな年寄りなんで、どうしてもネタは古くさくなる。ATB海外短編でゼラズニイの「フロストとベータ」が滑り込んでて感激とか国内長編は半村良の「妖星伝」が懐かしい、とか。「妖星伝」は文庫でありそうだけど、「フロストとベータ」は今読めるんだろうか?
「早川さん」、やはり帆掛さんは陽性かw
そしてついつい目が行く科学ノンフィクション。「眠っている間に体の中で何が起こっているのか」「流体力学超入門」「量子力学は、本当は量子の話ではない」「宇宙はいかに始まったのか」と、ヨダレが出そうな本がいっぱい。
と、このブログ、「科学/技術」カテゴリ美味しそうな本はSFマガジンで見つかるけど、「歴史/地理」カテゴリと「軍事/外交」カテゴリは決まった猟場がない。HONZは閉まっちゃったし。どこかいい狩場があったら教えてほしい。
SFマガジン2025年2月号のローカス・ベストセラー・リストに載ってたキアヌ・リーヴスとチャイナ・ミエヴィルの共著って本当だったのね。
ところでこの本、編集の方針でファンタジイもアリだから本格ファンタジイの傑作は堂々と推せるけど、本格ミステリの傑作は不許可なんで、ミステリ担当の千街晶之は「ぐぬぬ」な思いをしてるんだろうか。
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