2019年に面白かった小説3つノンフィクション3つ
今回も思い付きで選んでます。
【小説】
- 小野不由美「白銀の墟 玄の月 1~4」新潮文庫
- 諸国の協力を得て戴麒は見つかったものの、王である驍宗はいまだ姿をくらましたまま。しかも戴麒は角を失い、麒麟としての能力も封じられている。状況は絶望的ながら、それでも李斎と戴麒は戴へと帰り、行方不明の驍宗を探す旅に出る。二人が降り立った戴は予想通り荒れており、村は賊を恐れ門戸を固く閉ざす。なぜ阿選は反乱を起こしたのか。驍宗はどこで何をしているのか。そして戴国の行方は。
- 長らく中断していてファンをヤキモキさせたファンタジー・シリーズの(たぶん)完結編。いやきっと2020年に短編集が出るだけど、それは長いエピローグみたいなもんで。「魔性の子」からの伏線もちゃんと回収し、見事に完結させてくれたことが嬉しい…って、完全に主観だけで全く紹介になってないな。
- 大森望監修「カート・ヴォネガット全短編」早川書房
- 「プレイヤー・ピアノ」「猫のゆりかご」「タイタンの妖女」「スローターハウス5」などで有名なアメリカの作家カート・ヴォネガット。だが、彼の本領は短編にこそある、と評する人は多い。もちろん、私もその一人だ。そんな彼の全短編が、 「バターより銃」 「バーンハウス効果に関する報告書」 「夢の家」 「明日も明日もその明日も」の四分冊として出た。 やはり私はSFっぽい作品に目が行ってしまうが、作家としての努力が伺える初期作品が読めるのもファンとしては嬉しかった。
- 東京創元社「ランドスケープと夏の定理」高島雄哉
- 数学専攻のネルスが卒業論文で発表した「知性定理」は、大きな話題を呼ぶ。あらゆる知性とは会話が可能であるとする定理だ。ネルスの姉のテオは22歳で教授になった宇宙物理学の天才であり、第二執筆者には彼女も名を連ねている。テオは今、月の向こう側、L2で共同研究者の青花とともに研究に勤しんでいる。そんなテオに呼び出されたネルスが、彼女の研究室でみたものは…
- キャラクター的には姉ちゃんのテオがひときわ輝いている。天才かつ強引で理不尽、姉とはかくも恐ろしい存在なのだw つか、なんちゅうモンを隠してるんだ姉ちゃんw なども楽しいし、新人ながら最新のサイエンスに真っ向勝負を挑んだ芸風も嬉しくてしょうがない。ジェイムズ・P・ホーガンが好きな人には、自信をもってお薦めできる稀有な作品。
【ノンフィクション】
【終わりに】
実は「トラファルガル海戦物語」と「スペイン無敵艦隊の悲劇」、どっちを選ぶか悩んだのだが、先に目についた方を選んだ。他にも「イスラエル軍事史」や「ドキュメント 戦争広告代理店」など、軍事関係は興奮する本が多かった。
また科学では「バッドデータ ハンドブック」がプログラマあるあるで苦笑いが止まらない。「『おいしさ』の錯覚」は人生を少し「おいしく」してくれる。「『殺してやる』 止められない本能」は、読み終えてしばらくドキドキが止まらなかった。
と、2019年はノンフィクションで収穫が多かったなあ。
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