SFマガジン編集部編「SFが読みたい!2018年版」早川書房
とくに影響を受けたのは『ポル・ポト ある悪夢の歴史』という九百ページ近い伝記で…
――『ゲームの王国』刊行記念イベント採録
暴力の歴史から未来のゲームへ 小川哲×山形浩生×大森望もともと文学は使えるものは何でも使うのであって、別にSFを手本にしたとかSFから刺激を受けたわけではない。しょせんは題材の問題にすぎず、(略)彼が目ざすテーマを表現する手段として、そうした道具立てを用いているだけだ。
――牧眞司 海外文学誤った学説はイメージの宝庫であり、SF的想像力を刺激する。
――長山靖生 文芸ノンフィクション社屋の破壊が定期的に観測される出版社です。度し難い。
――このSFを読んでほしい! 竹書房
SFファンへの、ちょっと早いバレンタイン・プレゼント。
やはり目玉は、昨年のSF関係出版物の人気投票、「ベストSF2017 国内篇/海外篇」。前回に続き今回も30位までを発表。
加えて、ライトノベルSF/国内・海外ファンタジイ/国内・海外ホラー/国内・海外ミステリ/海外文学/文芸ノンフィクション/科学ノンフィクション/SFコミック/SF映画/SFアニメ/SFゲームなど、各ジャンルのお薦め作品ベスト10。
更に「2018年のわたし」として、人気作家が今年の活動を予告するほか、各出版社もSF関連書籍の出版予定を知らせてくれる。あんましアテにならないけどw いや「ブルー・マーズ」が本当に出るとは思わなかった。もちろん私のイチオシです、はい。地味だけど星敬氏の「2017年度SF関連図書目録」も労作。
ベストSFは、やっぱり見逃してたのが沢山あるなあ。赤野工作「ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム」とか松崎有理「5まで数える」とかG・ウィロー・ウィルソン「無限の書」とかオマル・エル=アッカド「アメリカン・ウォー」とか。
この人気投票の特徴は、各投票者の投票内容トコメントまで発表している点。実はこれも侮れない鉱脈で。フランシス・ハーディング「嘘の木」とか藤原辰史「トラクターの世界史」とか、すんげえ気になる。にしても西村一は潔いなあw
今回の特集っぽいのは、小川哲とクリストファー・プリースト。
小川哲、やっぱし「ポル・ポト ある悪夢の歴史」を読んでたか。凄いよね、あれ。あとフランソワ・ポンショー「カンボジア・ゼロ年」も面白そう。クリストファー・プリーストはブックガイド。「逆転世界」は、読んだ後しばらく世界が歪んで見えたなあ。それぐらいイメージが強烈だった。
出版予定では、アトリエサードのアルジス・バドリス「無頼の月」って、去年も…それとジョン・ブラナー「ザンジバーに立つ」は…いえ、なんでもないです。河出書房新社、谷甲州「星を創るものたち」の続編、期待してます。東京創元社、アン・レッキー「叛逆航路」シリーズはまだ続くのか!
「九百個の零號琴」とか「んなぁ~」とか唸りつつ、今日はここまで。
| 固定リンク
「書評:SF:小説以外」カテゴリの記事
- SFマガジン2024年12月号(2024.11.08)
- SFマガジン2024年10月号(2024.08.30)
- SFマガジン2024年8月号(2024.07.19)
- SFマガジン2024年6月号(2024.05.16)
- SFマガジン2024年4月号(2024.04.07)
コメント