流行歌に疎い俺が南アフリカのポップミュージックを紹介するぜ
先に紹介したSF小説ローレン・ビュークス「ズー・シティ」は、南アフリカ、特にヨハネスブルグの現代のポップ・ミュージック・シーンが重要な要素になってる。「どんなんだろ?」と思って Youtube を漁り、SKYROOMLIVE(→サイト、勝手に動画再生が始まるので注意)を見つけた。
南アフリカのトップ・ミュージシャンを高層ビルの屋上のスタジオに招き、ライブ演奏する企画らしい。Youtube の SKYROOMLIVE チャンネルとかを見ながら、見かけたミュージシャンを紹介する。
全般的にやはりヒップホップの勢いがあって、半分ぐらいはラップかも。面白いのは、いわゆる打ち込みの人もいるけど、強靭なリズムを叩き出す生バンドをバックにする人もいること。HHPとか。それ以外は、やはり黒人音楽をベースにした感じの音が多い…と言えばわかったような気になるが、これが実にバラエティ豊かで、フュージョンっぽいジャズや都会的なソウルに、現地のリズムや旋律が混じってて、ソウルよりのAORというか、そんな雰囲気がある。
かと思うと、白人のオッサンがべらんめえ調の発音でロシアン・フォークっぽい歌やってたり、やっぱり白人アンチャンがガレージ・ロックみたいのやってたり。ただ、ヘヴィ・メタルやプログレ風ロックが見当たらないのが、大きな特徴かも。ディープなブルースも見ないな。あと、6弦ベースがやたらと多い。流行ってるのかな?
とはいえ、私は最近のオリコンもビルボードもチャートに載ってる歌手を全く知らない野暮天なんで、かなりピント外れなことを書くと思う。特にテクノやヒップホップは疎いんで、タップリ眉に唾つけてご覧下さい。
目次
ダミ声の黒人ヒップホップ・シンガー。けっこうオジサン。意外な事に音はかつてのスティーヴ・ガッドがやってたスタッフに似た、都会的で洗練された雰囲気がする。ドラム・パーカッション・ベース・ギター・キーボード・DJの6人組。特にギターがコーネル・デュプリーみたいでクール。
キーボード弾きながら歌う黒人のオッサン。スタイリスティックスみたいなソフトでエロい歌声。バックはドラム・ベース・サックス・コーラスの四人組で、都会的なソウル・ミュージック。
黒人男性の典型的なラップ・グループ。3人のシンガーとキーボードとDJ、音はスカだったりテクノだったり。観客は黒人男性ばかり。
黒人男性3人組のラップ。バックはDJ1人、何やってんのかわかんないのが一人←をいw 音はファンクっぽいテクノ。
坊主頭の黒人男性ラッパー。バックはヅラム・ベース・ギターにコーラス、打ち込みも使ってる。いきなり生ギターでのスカな、なかなか斬新な試み。歌こそラップだけど、音は正統派のソウルを感じるなあ。
黒人女性シンガー。ポール・サイモンの「グレイスランド」の元ネタを思わせる、軽やかなリズムと力強いコーラス。バンドはドラム・ベース・ギター・サックス・キーボードにコーラス三人。歌い方はソウルっぽいが、力強さより繊細さを感じさせる。
黒人男性ラッパー。いきなりギターだけのバックで始まる。かと思ったら、2曲目からSJが入りシンガーも3人になった。野太い声に後ノリのスカっぽいリズム。打ち込みっぽいデジタル音は私のようなオッサンには辛いが、、ミュート効かせたギターはイカす。
黒人男性ラッパー。声は若いなあ。バックはDJ二人。かなりの早口でまくしたてる。音はテクノっぽい。
スケベったらしい顎鬚の白人シンガーと坊主頭の黒人トランペット&キーボードの三人組で、バックはみんな黒人。オサレなシティAORっぽい。
野球帽被った黒人のアンチャン。音はリズム隊を中心としたシンプルで正統派?のラップ。ただし歌は現地の言語なので何言ってるのかサッパリわからんw
坊主頭の黒人シンガー。由緒正しい黒人男性シンガーの鍛えたソウルフルな歌声。本人が語るマービン・ゲイより、やや優等生っぽい綺麗な発声だと思う。音は一昔のフュージョンっぽいのに、335使ってるギターがディストーション効かしてるのが面白い。
坊主頭に野球帽被ったガタイのいい黒人ラッパー。MCは英語だけど、歌は現地の言葉らしく、何言ってるのかサッパリわからんw ドラム・パーカッション・ベース・キーボードとリズム重視でシンプルなカルテット編成のくせに、出す音はスカや小洒落たバラード風シティ・ポップもある。
爽やかで聞きやすいカントリー調ロックの白人女性ポップス・シンガー。テイラー・スウィフトを思い浮かべてくれればいい。MCはアフリカーンスなのか、訛りなのか。バックはドラム・ベース・キーボード・ギター×2とナイト・レンジャーに同じで、みんな白人。ギターの一人が黒のテレキャスターなのがいい感じ。さすがにブリッジはストラト用に変えてるけど。
不精ヒゲで野球帽被った黒人男性ラッパー。バックはやる気なさげな白人男性DJが操るテクノ,白人男性のギター,白人女性コーラス。音は今風のテクノ、なのかな?すんません、最近の音楽はようわからんです。
育ちよさげな白人男性フォーク・シンガー。バックはドラム・ベース・ギター・サックス・キーボードの4人。ちょっとブライアン・アダムスを思わせる、飾り気を排したストレートな音と歌が持ち味。
白人のおっさんフォーク・シンガー。ロシアによくいそうな雰囲気の巻き舌の歌い方。言葉はアフリカーンスなのかな?バックはドラム・ベース・ギターの三人とシンプルな編成。いきなりスライド・ギターで始まるのが心地良い。「タイコはプロのキックボクサーだ」って、ホンマかいなw
ドラム・ベース・トランペット・キーボードとDJ。DJのオッサンがSOL PHENDUKAなのかな?ナベサダみたいなクールで都会的なジャズをバックに、たぶんゲストのシンガーがソウルフルな歌声を聞かせる。珍しくインスト重視なのが嬉しい。アフリカっぽいリズムを入れてるあたりじゃ、むしろプログレっぽい香りがしたり。
ジャズに民族音楽を取り入れた感じかな?シンガーのオバサンが BRENDA MTAMBO だと思う。発声法や節回しに、少し日本の民謡に似た部分がある。低音部じゃ凄みのある声が、高音部では芯のある伸びた声になって、かなり鍛えられた喉だと思う。バックはドラム・ベース・ギター・キーボードにコーラスガール3人。
黒人の男性ラップ。バックはキーボード2人とDJ。歌い方はヒップホップなのに、バックの音はバラードっぽいシンセだったり、サンプリングしたスカだったり。
フードの下にやたらひさしの長い帽子を被る、ケッタイなファッションで登場する口ひげの白人男性ラッパー。バンドはドラム・ベース・ギター・DJ。歌はラップだけど、音は正統派のロックンロール。
鍛えられた、だが爽やかな声の黒人男性シンガー。キーボードを弾きながら歌う姿は、スティービー・ワンダーを連想させるが、キーボードはラテンっぽくてグレッグ・ローリーを思わせる。バックはパーカッション・ベース・DJ。
男性黒人3人のラップ・グループ。バックはドラム・ベース・ギター・キーボード・DJ。リー・リトナーやパット・メセニーを思わせるオサレなAORをベースした音なのに、なぜか歌はラップ。特にギターは相当にブルースをやり込んでる感じ。
ドラム・ベース・ギターのシンプルな編成をバックに歌う、黒人女性シンガー。スザンヌ・ヴェガやインディゴ・ガールズを後ノリにしてロック寄りにした感じ。シングルコイルの乾いた音をストレートに活かした、飾り気のないギターが心地いい。
黒人女性シンガー。ソウルフルに歌い上げる感じの都会的なジャズだけど、発声など微妙に民族音楽が混じってる。バックはドラム・パーカッション・ベース・サックス・キーボード・ギターに、黒人男性コーラス2名。
黒人男性二人組み。SAI が DJ でキーボード&ボーカルが RIBATONE。この動画ではゲストにサックスが一人。ジャンルはハウスなのかな?でも音は都会的なジャズ。RIBATONE の声は柔らかく優しげでソウルフル。
黒人女性シンガー。正統派のジャズ・ソウルっぽい鍛えた声に、微妙な民族音楽っぽいリズムが混じる。バックはドラム・ベース・ギター・キーボードに加え、男性1名と女性1名のコーラス。ジョージ・ベンソンみたいな柔らかく弾けるギターがいい。
白人のオッサン・バンド。音は正統的なフォーク・ロック。ボブ・シーガとかブルース・スプリングスティーンとか、そーゆー感じ。バックはドラム・ベース・フィドル兼キーボード・ギター×2。
アイドルっぽい白人男性バンド。ドラム・ベース・ギター・キーボードにシンガー。The Knack や初期のビートルズみたいな親しみやすいメロディーにリズム。最も特徴的なのはコーラス。決して巧くはないが、リバプール・サウンドの教科書的な使い方で、効果的に曲を盛り上げている。
白人男性4人のロックンロール・バンド。ドラム・ベース・ギター×2のシンプルな編成。グランジ以前のパワーポップというか。でもベースは、明らかにシド・ヴィシャスを意識してるよなあ。肌の色艶は随分と健康的だけどw
黒人男性シンガー。ドラム・パーカッション・ベース・ギター・キーボードとリズムを重視した編成にコーラス3人。編成でわかるように、ラテン系の強力なリズムに、ソウルフルながらシッカリした基礎を感じさせる、しなやかで太い声だ。
白人のオッサンのロックンロール・バンド。ドラム・ベース・ギター×2のベーシックな編成。音はパンクっぽいけど、黒のストラトのギタリストのソロはヘビメタっぽい。31:40~のマイケル・センベロのマニアックとか、懐かしいw
白人のロックンロール・シンガー。歌い方も発音もブルース・スプリングスティーンの強い影響…つか、そのまんま。このなりきりっぷりは、ある意味、潔さすら感じさせる。バックはドラム・ベース・ギター・キーボード。
黒人男性シンガー。スタンダードなジャズ・ソウル系の音に、ラテンと地元の音楽を混ぜた音に、やや低いながらもジェントリーで基礎ができてる歌い方。ドラム・パーカッション・ベース・キーボード×2にコーラス。バスドラムやフロアタムなど低音を強調した手数の多いドラムが、すんげえ俺好み。
黒人女性シンガー×2+黒人男性シンガーの三人組。バックはドラム・キーボード・DJとシンプルな編成。ダンサブルで少し民族音楽なリズムにポップでファンキーな歌声とスカスカの電子音の組合わせ。やたら繰り返しが多いのはトランスって言うのかな?
黒人男性シンガー。バックはDJとパーカッションという異色の編成。曲調はディスコ調の歌謡曲に現地の素材を混ぜ、テクノとヒップホップで味付けした感じで、オジサンにも聞きやすいけど、ちょっとバックの音が薄いかな。お客さんも若い人が多いみたい。スケベったらしい音と、ラフで飾り気のない清潔感漂う服装のギャップが不思議。
白人のオッサン6人の生ギター&コーラス・バンド。曲はカントリー&ブルース&フォーク調に南欧の香りが入ってる。四本弦の生ベースギターなんて面白い楽器もある。
白人男性5人組のデスメタル・バンド。ドラム・ベース・ギター×2+シンガー。
黒人男性二人のラップ・グループ。バックはドラムとベースとDJ。音楽的にはスカなのかな?やっぱり生のドラムがあるとリズムが生き生きしてくるなあ。
黒人女性シンガー。バックはドラム・ベース・ギター・パーカッション・キーボード。現地の音楽とジャズの混ざった上品な音。高音部の澄んだ綺麗な声が素敵。七色の声を駆使したベースとのかけあいが聴き所。顔立ちも綺麗でスタイルがいい上に音も上品だし、来日したら人気が出そう。
黒人男性2人+DJのラップ・グループ。シンプルでチープなバック、明るい曲調、落ち着きがなく微妙に不器用な動作など、手探りで自分たちの音を追及してるように見える。
以上、アメリカとも日本とも様子が違う、南アフリカのポップ・ミュージック・シーンの紹介でした。
更新履歴
2013.12.25 初版
2014.02.18 目次を追加
2014.04.08 追加:BRENDA MTAMBO~CASH TIME FAM
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