石田純一「宗教世界地図」新潮文庫
世界各地の紛争や問題を、宗教と言う切り口で紹介している。雑誌 Foresight 連載のコラムをまとめた本。各コラムは4頁程度なので、興味のある部分だけぽつぽつと拾い読みしてもいい。やはりイスラムとキリスト教が多く、仏教はミャンマーとチベットぐらい。地域では、やはり中東と北アフリカが多い。東南アジアのイスラムとしてインドネシアとマレーシアを紹介してるけど、「穏和で多様」と表現している。
力が入っているのは中東で、シリア・ヨルダン・イスラエル・イラク・イラン・レバノン・エジプトと盛りだくさん。単行本刊行が平成5年4月というから1993年で国際情勢の変化を考えると少々古い感はあるが、まあ楽しく読めた。南米の解放の神学を扱っているあたり、結構目配りも効いているように思う。楽しみながら国際情勢を知るにはいい本だろう。
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