竹山聖「独身者の住まい」廣済堂
建築家(兼京都大学助教授)が書いたエッセイ集。具合的なノウハウを羅列したハウツー本を期待したんだが、全然違った。まあ、ロクに確かめもせず読み始めた私の勘違いなんだけど。
タイトル通り、「独身者の住まい」を通じて、人々の生活・家族関係の変化・お役所の規制の矛盾・古今の映画・ポップミュージックなどを、穏やかに親しみやすく語りかけてくる。肩の力を抜いて、ラジオを聴く感じで読むといいかも。
例えば映画なら「いちご白書」「氷の微笑み」「イヤー・オブ・ドラゴン」「ユー・ガット・メール」「家族ゲーム」などが出てきて、それぞれ住まいを通して分析してる。そういえば「イヤー・オブ・ドラゴン」のヒロインの部屋って、確かにとんでもないレイアウトだったね。部屋の真ん中に風呂があるなんて。掃除はどうするんだろう…なんて考えちゃうのは私が貧乏性だからか。
図書館シリーズでヒートアップした頭を冷やすのには、ちょうどよかった。
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