中島龍興「照明[あかり]の設計 住空間の Lighting Design」建築資料研究社
関心もなければ仕事にも関係ないけど、ちょっとした出来心で借りた。
インテリアコーディネイターを目指す人向けの照明設計の入門書。
とはいえ写真が豊富なんで素人の私でも楽しく読めた。
計算式やグラフはすっとばしたけど。あはは。
以下、興味深いエピソード。
- 長波長が多い赤系の光は色温度が低く、短波長の多い青白い光は色温度が高い。
- 婦人服の量販店で高級感を出そうと色温度の低い蛍光ランプにしたら客足が遠のいた。親しみやすさが薄れて敬遠されたらしい。色温度の高い白色蛍光ランプにしたら売り上げが回復した。
- ヨーロッパ→アメリカ→日本 の順に高い色温度が好まれる。特に日本は突出して高い色温度(4200K~5000K)を好む。
- 日本の店は閉店時にショーウィンドウを閉め、住宅は夜にカーテンを閉じるので、夜になると町が急に暗くなる。
#とはいえ今の季節はカーテンを閉めたほうが暖房効率がいいんだよね - 屋外照明は防水じゃなきゃいけない。
#言われて見れば当たり前だけど気がつかなかった。 - オペラ座の屋上はガラスのドームになっていて、観客が多いほど赤っぽい色になる。
- 階段の明かりを設計した際に失敗した。昇りはいが下りの時にランプが直接目に入ってしまう。
#こういう失敗談って面白いね。
中島さんは中島「日本人はひたすら明るい照明を好むけど、夜は夜らしく夜の雰囲気を楽しめばいいのでは?」という意見らしい。私の寝つきの悪さも照明が原因の一端かもしれない。けど、やっぱし明るくしちゃうんだよね。昼間にプライベートな時間が取れないからかなぁ。
| 固定リンク
「書評:ノンフィクション」カテゴリの記事
- アダム・オルター「僕らはそれに抵抗できない 『依存症ビジネス』のつくられかた」ダイヤモンド社 上原裕美子訳(2025.09.26)
- ジョシュア・グリーン「モラル・トライブス 共存の道徳哲学へ 上・下」岩波書店 竹田円訳(2025.08.05)
- クロード・スティール「ステレオタイプの科学 『社会の刷り込み』は成果にどう影響し、わたしたちは何ができるのか」英治出版 藤原朝子訳(2025.07.27)
- キャス・サンスティーン「同調圧力 デモクラシーの社会心理学」白水社 永井大輔・高山裕二訳(2025.06.27)
- 石川浩司「『たま』という船に乗っていた」ぴあ(2025.05.28)


コメント