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2019年5月30日 (木)

世界四大海戦

 きのう読んだ「スペイン無敵艦隊の悲劇」に「世界四大海戦」とある。どの四つか調べると、どうやら人によって違うようだ。世界〇大××とかじゃよくあるパターンだね。とりあえず挙がっている候補は以下6個。

  1. 紀元前480年9月 サラミスの海戦 →Wikipedia
  2. 1571年10月7日 *レパントの海戦 →Wikipedia
  3. 1588年7月~8月 アルマダの海戦 →Wikipedia
  4. 1592年7月7日 閑山島海戦 →Wikipedia
  5. 1805年10月21日 *トラファルガー海戦 →Wikipedia
  6. 1905年5月27日~5月28日 *日本海海戦 →Wikipedia

 *がついているものは、四つに入ったり外れたりする。つまり、サラミス/アルマダ/閑山島がレギュラーで、レパント/トラファルガー/日本海が最後の席を争っている、そんな感じらしい。

 なんで決まらないのかというと、基準が人によって違うからだろう。戦争や歴史に与えた影響を重んじる人もいれば、戦闘に加わった船舶数や人数で考える人もいるし、戦いの鮮やかさ・指揮官の優秀さで選ぶ人もいる。どれも一理あると思う。あ、それと、スペイン人はレパント、イギリス人はトラファルガー、日本人は日本海海戦を入れるんだろう。

 その上で、私なりに選ぶと、こんな感じになる。

  1. 紀元前480年9月 サラミスの海戦
  2. 1588年7月~8月 アルマダの海戦
  3. 1905年5月27日~5月28日 日本海海戦
  4. 1942年6月5日~7日 ミッドウェー海戦 →Wikipedia

 これがどういう基準かというと、戦闘技術で選んだものだ。

 サラミスの海戦は、比較的に波が穏やかな地中海で行われた。主力は三段櫂船である。以後、レパントの海戦まで、主な戦場は内海で、軍船の動力は人力が中心となる。また戦闘方法も、最終的には敵船に乗り込んでの白兵戦が決定的な要素だった。

 次のアルマダの海戦では、戦場が波の荒い外海での戦闘に変わる。また主力艦は風力駆動で木製のガレオン船だ。いや実はガレー船や帆と櫂の両方を使うガレアサ(→Wikipedia)も加わってるんだけど。そんなわけで、潮や風の向きが決定的な意味を持つ。加えて、火砲が使われた。あまり成果はなかったようだけど。なお、この戦いじゃ白兵戦は行われていないが、19世紀初頭のトラファルガーでは白兵戦でケリをつけている。

 これが日本海海戦になると、戦いの様相がガラリと変わる。戦場こそ内海の日本海だが、動力は蒸気機関に変わる。おかげで機動力が段違いに上がり、潮や風の向きの影響が小さくなった。また艦体は鋼鉄製になった。戦闘の大半は砲の撃ち合いで決まり、敵船に乗り込んでの肉弾戦は完全に消えた。また無線電信が導入され、本国との連絡はもちろん偵察・艦隊指揮などで、よりキメの細かい統制が可能となった。

 更にミッドウェー海戦になると、戦闘の決定的な要素は空母と航空機に変わり、艦隊司令官にはほとんど敵船の姿すら見えない。砲の役割も変わり、重要なのは航空機を撃ち落とす対空砲であって、巨砲の価値も軽くなってしまった。いや無くなったわけじゃないのよ。ノルマンディや硫黄島などでは、上陸部隊を支援するために砲撃してたし。でも対陸上戦力用であって、対艦用じゃない。

 いずれの変化も、単に戦い方が変わったってだけじゃなく、国家における海軍の役割や位置づけが変わったって事でもある。レパントの頃なら、国王でなくとも有力な諸侯なら相応の海軍力を持てたかもしれない。でもアルマダ以降は難しくなったし、日本海以降はまず無理だ。もっとも、最近は民間軍事会社が力をつけてきてるから、将来はわからないけど。

 と、適当に選んでみた。なんか偏っている気もするけど、それは私の知識が偏っているためです。「コレが入ってないのはおかしい、なぜなら…」的なご意見は歓迎します、はい。

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