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2018年10月11日 (木)

藤代泰三「キリスト教史」講談社学術文庫 1

古代教会におけるローマ・カトリック教会は司教らの教会であったが、中世においてそれは教皇の教会となる…
  ――22 教皇制度の興隆

【どんな本?】

 ユダヤ教の中からキリスト教が生まれてから、現在のように世界中に広まるまで、どのような経過を辿ったのか。

 それぞれの地域における時代背景から、権力者と教会の関係、組織内や宗派間の論争や闘争、様々な組織の離散集合や組織体質の変化、他の宗教との競合、戦争や革命などの歴史的事件が各宗派に与えた影響や各宗派が果たした役割、そして世界各地における伝道活動など、キリスト教の歴史を俯瞰的・総合的に描く、学究者向けの専門書。

【いつ出たの?分量は?読みやすい?】

 元は1979年に日本YMCA同盟出版部から単行本で刊行。講談社学術文庫はこれを改訂し、2017年11月10日に第1刷発行。文庫本で縦一段組み、本文約647頁に加え、佐藤優の解説「藤代先生と私」10頁。8.5ポイント41字×19行×647頁=約504,013字、400字詰め原稿用紙で約1,261枚。上中下の三巻に分けてもいい大容量。

 文章は硬い。いわゆる学者の文章だ。内容もかなり難しく、読みこなすには歴史とキリスト神学の充分な知識が要る。神学者または神学者を目指す学生向けの、専門的な学術書だ。少なくとも「コリント人への第一の手紙」と聞かれて、誰が誰に宛てた手紙でどんな内容なのかスラスラと言えなければ、まず歯が立たない。とか書いている私は、何も答えられません、はい。

【構成は?】

 ほぼ時系列順に進むので、素直に頭から読もう。なお、各章の冒頭の「序」は、その章の内容を巧みにまとめてあるので、素人は「序」だけを拾い読みすれば、美味しい所をつまみ食いできる。

  • 序論
    私の立場/解釈学/課題の設定/類型論/時代区分

第一部 古代

  • 1 古代史の課題
    課題/時代的限定
  • 2 ギリシア・ローマ文化
    序/ギリシア・ローマ文化の世界/哲学思想 (1)プラトン (2)アリストテレス (3)ストア学派/東方宗教/皇帝礼拝/結語
  • 3 ユダヤ教
    序/政治的状況/ユダヤ教/サドカイ人/パリサイ人/アム・ハ・アレツ/エッセネ人/メシア待望/庶民信仰/クムラン教団/知恵/ディアスポラのユダヤ人
  • 4 イエス
    序/バプティマスのヨハネ/イエス (1)預言者 (2)メシア (3)贖い主/神の国/イエスの復活/イエスの神性
  • 5 原始教団
    序/宣教共同体/ペテロ/パウロ/ヨハネ
  • 6 教会の発展
    序/ユダヤ人キリスト教会/異邦人キリスト教会の宣教/使徒教父
  • 7 教会の内的危機
    序/グノーシス主義 (1)バシレイデス (2)ヴァレンティノス (3)総括と批判/マルキオン/モンタニズム/ナグ・ハマディ文書
  • 8 教会の組織的発展
    序/合同教会/監督職 (1)教会法の導入 (2)教会会議/使徒伝承と信仰告白/正典/史的意義
  • 9 礼拝と礼典
    序/聖餐/洗礼/礼拝/礼拝の時/礼拝の場所
  • 10 キリスト教徒の生活と修道院
    序/慣習と教会規則/この世におけるキリスト教徒の倫理/修道院制度の発生と展開
  • 11 神学思想
    序/弁証家/エイレナイオス/単一神論 (1)動態的単一神論 (2)様態的単一神論/アレクサンドリア学派 (1)クレメンス (2)オリゲネス/アンテオケ学派/アレイオス/ニカイア会議とアタナシオス/カパドギア教父/コンスタンティノポリス会議/キリスト論論争/キュリロス/エウティケス/カルケドン会議/クリュソストモス/東方教会と西方教会の神学思想の相違/テルトゥリアヌス/キプリアヌス/アンブロシウス/ヒエロニムス/アウグスティヌス
  • 12 ローマ帝国と教会の闘い
    序/初期の迫害/キリスト教徒迫害の理由/迫害の法的根拠/国家的規模の迫害/コンスタンティヌスの寛容令/コンスタンティヌスの後継者の時代
  • 13 教皇制度の発生
    序/ローマ教会の卓越性/教皇観念の発生
  • 14 イスラム教のもとのキリスト教会
    序/イスラム教による統一国家/イスラム教のもとのキリスト教会
  • 15 社会と文化と教会
    序/禁欲/教会における社会思想発生の原因/教会における社会思想 (1)所有 (2)労働 (3)商業 (4)家族 (5)奴隷 (6)愛の働き (7)教会と国家/教育
  • 16 古代教会発掘の現状
  • 17 回顧

第二部 中世

  • 18 中世キリスト教史の課題
    時代的限定/課題
  • 19 ゲルマン民族への宣教
    序/ゲルマン民族の文化と宗教/ゲルマン民族への宣教 (1)ゲルマン民族宣教の主要課題 (2)東ゲルマン民族への宣教 (3)西ゲルマン民族とローマ・カトリック教会 (4)ボニファティウス (4)ザクセン人と北方人 (6)ゲルマン民族のキリスト教受容の精神的理由 (7)キリスト教のゲルマン化
  • 20 スラヴ民族への宣教
    序/スラヴ民族の宗教/スラヴ民族への宣教開始/東ローマ帝国とローマ・カトリック教会の対立/西スラヴ民族への宣教/バルト海沿岸地方
  • 21 東方正教会と西方教会の分裂
    序/称号問題/教皇首位権問題
  • 22 教皇制度の興隆
    序/教会の主としての教皇/世界の主権者としての教皇
  • 23 帝国と教皇の闘い
    序/カール大帝の死からオットー一世まで/クリュニー修道院の改革運動/叙任権抗争(1056-1122)/シュタウフェエル朝と教皇庁の闘い
  • 24 十字軍
    序/十字軍の原因/経過/敗因/史的意義 (1)政治的影響 (2)文化的影響 (3)経済的影響 (4)教会への影響
  • 25 新しい修道会の創設
    序/カルトゥジオ修道会/シトー修道会/プレモントレ修道会/フランシスコ修道会/ドミニコ修道会/史的意義
  • 26 神学思想
    序/エリウゲナ/アンセルム/アベラール/ロンバルドゥス/アルベントゥス・マグヌス/トマス/スウコトゥス/オッカム
  • 27 神秘主義
    序/観想的神秘主義 (1)フーゴー (2)ベルナール/静寂的神秘主義 (1)エックハルト (2)タウラー (3)ソイゼ (4)リュスブレック/神の友会/「テエオロギア・ゲルマニカ」
  • 28 秘跡と民衆の信心
    序/七つの秘跡/実体変質説/告解と免償証/婚姻/マリア崇敬/成人と遺物/極端な信心/説教/信心書
  • 29 分派運動と異端審問所
    序/カタリ派/ワルドー派/ヨアキム/ロラード派/フス派/異端審問所
  • 30 中世末期の教皇制度
    序/ボニファティウス八世/教皇理念に反対した思想家/教皇庁の財政/教皇庁の分裂/教会会議運動
  • 31 ルネサンスと人文主義
    序/イタリアのルネサンス/美術/古典語の研究/エラスムス/ルネサンスと宗教改革の関連
  • 32 社会と文化と教会
    序/中世の社会生活とキリスト教の理想/領邦教会の発生と財産/カトリック教会と修道院の土地所有/教会法/トマスの教会的統一文化の理念/トマスの家庭観/教育
  • 33 回顧

第三部 近世

  • 34 近世キリスト教史の課題
    課題/時代的限定
  • 35 ルターの宗教改革
    序/修道院における苦闘/「95箇条提題」からヴァルトブルク城まで/ヴィッテンベルクの宗教改革の発展/エラスムスとの論争/農民戦争(1524-1525)/教会の組織化/カトリック側とプロテスタント側の抗争
  • 36 ツヴィリングリの宗教改革
    序/起源と展開/国家と教会/聖餐論論争/神学の特色
  • 37 カルヴァンの宗教改革
    序/カルヴァンの回心/第一回ジュネーヴ時代/ストラスブール滞在/第二回ジュネーヴ時代/神学の特色 (1)神観における神の栄光と尊厳 (2)二重予定論 (3)調停的聖餐論 (4)歴史における神の意志/カルヴィニズムの発展の理由
  • 38 ラディカル宗教改革運動
    序/再洗派/神秘的心霊主義/反三一神論
  • 39 対抗改革
    序/イエズス会/トリエント会議/異端審問所
  • 40 北欧におけるルター主義の発展
    序/デンマーク/ノルウェー/アイスランド/スウェーデン/フィンランド
  • 41 イングランドの宗教改革
    序/ヘンリ八世/エドワード六世/メリー/エリザベス一世
  • 42 フランス、ネーデルランド、スコットランドにおけるカルヴィニズムの発展
    序/フランス/ネーデルランド/スコットランド
  • 43 ギリシアとロシアの正教会
    序/ギリシア正教会/ロシア正教会
  • 44 インド、中国、東南アジアへの宣教
    序/ローマ・カトリック教会
  • 45 日本宣教の開始と展開と鎖国
    序/宣教の開始と発展(1549-1586)/秀吉の迫害(1587-1598)/徳川幕府初期の政策(1599-1613)/迫害と追放(1614-1637)/苦闘と潜伏(1637-1638)/キリシタン文化
  • 46 ピューリタン運動の発生と展開
    序/ピューリタンの主張/長老派/ピューリタン革命/独立派(会衆派)/バプティスト派/レヴェラー派/クエーカー派(友会)/第五王国論者/ランター派/ピューリタン革命後/ピューリタン運動の史的意義
  • 47 社会と文化と教会
    序/倫理原則/結婚/召命(職業)/国家と教会/経済/文学/芸術/教育
  • 48 回顧

第四部 近代

  • 49 近代キリスト教史の課題
    時代的限定/課題
  • 50 啓蒙主義とキリスト教思想
    序/英国 (1)ロック (2)ニュートン (3)広教会主義 (4)理神論 (5)ヒューム/フランス (1)デカルト (2)スピノーザ (3)理性的宗教理解への批判者パスカル (4)サロン (5)ルソー (6)ヴォルテール/ドイツ (1)ライプニッツ (2)ヴォルフ (3)ライマールス (4)歴史的批判的聖書研究/史的意義
  • 51 敬虔主義
    序/先駆者/シュペーナー/フランケ/ベンゲル/ツィンツェンドルフ/ドイツ敬虔主義の史的意義/メソヂスト運動/ヤンセニズム/静観主義
  • 52 北米における教会の移植と発展
    序/教会の移植/第一次大覚醒運動(第一次信仰復興運動)/独立戦争と教会/信教の自由の確立/欧州の教会や教派からの独立
  • 53 啓蒙的絶対主義王政と教会
    序/教皇領/プロイセン/ドイツ/オーストリア
  • 54 フランス革命とローマ・カトリック教会
    序/宗教的状況/革命の第一段階(1789-1792)/第二段階/ナポレオンの教会政策 (1)「教政条約」 (2)「基本事項」
  • 55 啓蒙主義克服の試み
    序/カント/シュライエルマッハー/ヘーゲル
  • 56 フランスの自由主義カトリック運動
    序/ラムネの自由主義カトリック運動
  • 57 ピウス九世の信仰箇条宣言
    序/「マリアの無原罪の解体」/「謬説表」の発布/「教皇不可謬性」の教義/文化闘争/教皇領の喪失
  • 58 英国の教会とオックスフォード運動
    序/アングリカン教会/諸分離派/メソヂスト派/ローマ・カトリック教会/北アイルランドの宗教事情/オックスフォード運動/スコットランドの教会
  • 59 教会への新しい思想的挑戦
    序/フォイエルバッハ/シュトラウス/ルナン
  • 60 キリスト教社会運動
    序/オーエン/チャーチスト運動/キリスト教社会主義運動
  • 61 米国の教会の西部への発展から南北戦争まで
    序/西部への宣教/第二次大覚醒運動(第二次信仰復興運動)/内国伝道と外国伝道/神学校と大学/新しい教派 (1)モルモン教会 (2)アドベンチスト教会 (3)心霊主義者 (4)科学者キリスト教会/共産主義的共同体の実験/奴隷解放問題
  • 62 東方とロシアの正教会
    序/バルカン半島の正教会の解放/18世紀末までのロシア正教会/オールドビリーヴァー派(古儀式派)その他/19世紀のロシア正教会
  • 63 中国、東南アジア、アフリカ、シベリア、および北極圏宣教
    序/ローマ・カトリック教会 (1)インド (2)中国 (3)東南アジア (4)アフリカ/正教会 (1)西シベリア (2)中国 (3)カルムック人 (4)ヴォルガ川中部 (5)東部シベリア (6)カムチャツカ (7)アリューシャン列島/プロテスタント教会 (1)東南アジア (2)グリーンランド
  • 64 日本カトリック教会の復興
    序/明治初年のキリシタン迫害の発端/外交問題へと発展/迫害/追放移民/切支丹禁制の高札の撤去/赦免帰村/教勢
  • 65 日本プロテスタント教会の創立と発展
    序/プロテスタント教会の宣教開始/諸教会の創立と発展 (1)日本基督一致教会 (2)組合基督教会 (3)聖公会 (4)メソヂスト教会 (5)バプティスト教会 (6)福音協会 (7)美普教会 (8)基督教会 (9)基督友会 (10)基督同信会 (11)スカンジナビアン・アライアンス (12)日本福音ルーテル教会 (13)アライアンス教会 (14)同胞教会 (15)セブンスデー・アドベンチスト教会 (16)フィンランド福音ルーテル教会 (17)自由メソヂスト教会 (18)神の教会 (19)ナザレン教会 (20)ペンテコステ教会 (21)世界宣教団 (22)日本伝道隊 (23)スコットランド一致長老教会 (24)改革派教会 (25)カンバランド長老教会 (26)スコットランド・エジンバラ医師宣教会 (27)ホーリネス教会 (28)救世軍 (29)無教会主義集会 (30)普及福音教会 (31)ユニテリアン協会 (32)同仁教会 (33)近江ミッション(近江兄弟社) (34)その他の教会/一致教会と組合教会の合同の挫折/いわゆる教育と宗教の衝突/神学上の苦闘/教育 (1)東奥義塾 (2)札幌農学校 (3)同志社 (4)立教学院 (5)明治学院 (6)青山学院 (7)東北学院 (8)関西学院 (9)松山学院 (10)名古屋学院 (11)その他の男子校(共学を含む) (12)聖フェリス女学院 (13)横浜共立学院 (14)女子学院 (15)青山女学院 (16)神戸女学院 (17)同志社女学院 (18)梅花学院 (19)平安女学院 (20)立教女学院 (21)その他の女学院/聖書邦訳/賛美歌編集/社会福祉事業/出版事業/YMCAとYWCA/日清、日露戦争と教会/教勢
  • 66 日本正教会の創立と発展
    序/ニコライの来日/ニコライの東京移住/迫害/教会の発展/教勢
  • 67 19世紀後半のプロテスタント神学思想
    序/バウル/リッチュル学派/キェルケゴール
  • 68 カトリック・モダニズム
    序/経過
  • 69 回顧

第五部 現代

  • 70 現代史の課題
    時代的限定/課題
  • 71 神学思想
    序/バルト/ブルンナー/ネオ・オーソドクシイ(新正統主義)/ティーリッヒ/ブルトマン/その他の神学
  • 72 エキュメニカル運動
    序/起源/展開/ローマ・カトリック教会の態度/今後の問題
  • 73 ボリシェヴィキとロシア正教会
    序/ボリシェヴィキの宗教政策/第五回ソヴィエト大会/「活ける教会」の分離/第一次五カ年計画と再迫害/圧迫の緩和/1937年から翌年にかけての粛清/宗教復興
  • 74 全体主義国家とローマ・カトリック教会
    序/教皇庁の政策/イタリア/オーストリア/ポルトガル/スペイン/フランス
  • 75 ナチスとプロテスタント教会
    序/ドイツの教会の状況/教会からの離脱/ドイツ・キリスト者/教会闘争
  • 76 英国と英連邦との教会
    序/教職者数の減少/自由教会の衰退/社会と教会/教会合同/カナダの合同教会/アングリカン教会と教会合同/南インド教会/ローマ・カトリック教会
  • 77 米国の教会
    序/教会の合併と訓練を受けていない教職者/ファンダメンタリスト論争/禁酒運動/国際問題への関心/社会・経済倫理/近代主義宗教教育と礼拝と教会の制度化/教会合同と教会連合/国家とプロテスタント教会/ローマ・カトリック教会/北米日本人キリスト教会
  • 78 東方とチェコスロバキアとの教会
    序/ギリシア/トルコ/チェコスロバキア
  • 79 アフリカと東南アジアと東アジアとオセアニアとの教会
    序/アフリカ/東南アジア (1)インドネシア共和国 (2)ビルマ連邦社会主義共和国 (3)スリランカ共和国(セイロン) (4)インド (5)パキスタン (6)アフガニスタン (7)ネパール (8)フィリピン共和国/東アジア (1)中国 (2)台湾 (3)韓国/オセアニア
  • 80 ラテン・アメリカ諸国の教会
    序/ローマ・カトリック教会/メソヂスト福音主義教会
  • 81 第二ヴァチカン会議
    序/教会一致/典礼/教会論/神の民としての信徒/現代世界に対する教会の役割/ユダヤ教や他の宗教/パウロ六世の聖地巡礼
  • 82 日本ローマ・カトリック教会
    序/発展/教勢/教育/社会福祉事業
  • 83 日本のプロテスタント教会
    序/開教50年記念会/日本基督教会同盟/三教(キリスト教、教派神道、仏教)会同/全国協同伝道/第八回世界日曜学校大会/日本基督教連盟/神の国運動/社会的キリスト教/宗教団体法の成立/二つの信徒大会/日本基督教団の成立/戦時下の教会/天皇の人間宣言/日本基督教団の再編/新設教会 (1)リーベンゼラ日本伝道会 (2)日本アッセンブリー教団 (3)基督兄弟団 (4)基督聖協団 (5)イムマヌエル綜合伝道団 (6)日本福音教団 (7)聖イエス会 (8)イエス之御霊教会教団 (9)日本ユナイト・ペンテコステ教団 (10)極東福音十字軍 (11)クリスチャン文書伝道団 (12)日本聖契キリスト教団 (13)メノナイト派 (14)在日大韓基督教会 (15)東洋ローア・キリスト伝道教会 (16)原始福音 (17)ものみの塔聖書冊子教会(エホバの証人) (18)末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教会) (19)その他の教会/聖書改訳/賛美歌改訂/教会の戦争責任問題/沖縄キリスト教団と日本基督教団の合同/「靖国神社法案」/万国博覧会問題/種谷裁判/津地鎮祭判決/教勢/教育/社会福祉
  • 84 日本正教会
    序/分離の経緯/教勢
  • 結び 展望
    信仰と理性/信仰と社会的実践/社会福祉と教会/政治と経済と信仰生活/諸宗教と福音/文化と福音/教育と福音/平和問題/教会協力と一致/歴史と信仰/旅人
  • 地図 五世紀半までの五総大司教区(総主教区) 16世紀末の宗教分布
  • 図表 教会系譜/文献/解説 藤代先生と私 佐藤優/索引

【感想は?】

 まさしくライフワークだ。良くも悪くも。

 「良くも」は、少なくとも三つ。まず、素人でも一目でわかる巨大ボリューム。次に、時代的にも組織的にも全体を見渡す俯瞰的な視点。そして、神学にに限らず広く深い歴史の知識が、学術的な基礎をシッカリと支えていること。

 なんたって、それぞれの事柄について、その背景にある歴史・社会・経済的な事情から語ってくれるのが嬉しい。例えば、キリスト教の発生についても、それ以前のギリシア文化や、当時のユダヤ教の状況から説き起こしている。

 ただし、あくまでも研究者向けの本であり、キリスト教徒ではない素人向けじゃない。だから、常識的な事は省いてある。例えばイースターやペンテコステについて、「それは何か」は書いていない。お陰で私は散々 Google と WIkipedia のお世話になった。

 「悪しくも」は、著者の研究の方向性が色濃く出ている点だ。これは目次を見ればすぐ分かる。日本の記述が異様に多い反面、正教や中南米の頁は少ない。別に贔屓したわけではなく、単に自らの研究の集大成として書いた結果、そうなったんだろう。

 そんなわけで、ド素人向けの入門書ではない。研究者または研究者を目指す人向けの専門書である。そういう本を、キリスト教徒ですらないド素人の私がどう読んだか、これはそういう記事だ。

 本書は、それぞれの時代の高名な思想家や神学者の考えた事も書いてある。一人につき10行~2頁ぐらいに要点をまとめてあって、興味のある人には便利だろう。が、私は大半を読み飛ばした。何せド素人だから、三一とかの基本的な用語すら何の事だか見当もつかない。

 そんなわけで、思想的な部分には触れない記事になる。詳しくは次の記事で。

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