ロバート・コンクエスト「悲しみの収穫 ウクライナ大飢饉 スターリンの農業集団化と飢餓テロ」恵雅堂出版 白石治朗訳
本書で扱う問題(略)は、1929年から1932年までの間に、スターリンの指導のもとでソヴィエト共産党が、(略)ソ連邦全体の農民にたいしておこなった二つの攻撃という点に絞られる。つまり、富農撲滅運動と農業集団化の二つである。
――序文ウクライナは、フランスと同じ広さの国土をもち、ポーランド以上の人口をかかえながら、両大戦中(一時的な例外はあったが)、独立国家になれなかったヨーロッパ最大の国である。
――第2章 ウクライナ国家とレーニン主義1918年7月、農民全般の格下げが正式に決まった。ソ連の新憲法は、農民よりも労働者にたいして圧倒的に有利なかたちで投票権を与えたのである。つまり、農民の代表一人選ぶのに125,000票を必要としたのにたいして、労働者の代表は一人に25,000票あれば足りたのだ。
――第3章 革命、農民運動、飢餓 1917年~1921年自由市場での価格(1933年)は、政府が強制的に買い上げるときの価格の20~25倍になっており、これからして政府がいかに農民を搾取していたかが分かる(公式統計による)。
――第7章 急激な集団化とその失敗 1930年1月~3月1926年の人口調査によると、ソ連邦におけるカザフ人の人口は、3,963,300人であった。それが1939年の人口調査(それ自身、水増しがあった)では、3,100,900人であった。
――第9章 中央アジアとカザフ人の悲劇2,000万人から2,500万人までの、ウクライナの農業人口のうち、1/4から1/5、つまり約500万人が死んだ。
――第12章 飢餓の猛威さらに重要なことは、そして継続的に行われたことは、すっかり空になった農村、あるいは半ば人のいなくなった農村に、ロシア人の農民が移り住んだことである。
――第13章 荒廃したウクライナ国土1932年のソ連邦の穀物生産の総計が、1931年のものよりも悪くなく、1926~30年の平均値よりもわずかに12%しか低くなかったということであり、飢饉的数字からはかけ離れていたということである。ところが、穀物の徴発は44%も増えている。
――第13章 荒廃したウクライナ国土子供には、また別の危険があった。ポルタヴィア市では犯罪者たちが、子供をあつかう食肉解体処理場を常設していた。
――第15章 子供たちある見方によると、ソ連の指導部が一般に理論の束縛性をさらに強化しつつあるかどうかは、彼らがどんな農業政策をとっているかを検討することによってチェックできたという。
――エピローグ その後の推移
【どんな本?】
1929年から1932年にかけて、ソ連は主にウクライナで二つの政策を進めた。富農撲滅運動と農業集団化である。当局は富農と見做した者を強制移住などで迫害する。他の農民は集団農場(コルホーズ)や国営農場(ソフホーズ)などに狩り集めた。
その結果、反乱が頻発し、収穫は激減する。しかしソ連共産党は飢えた農民を支援するどころか、国家政治保安部を先兵として農作物の徴発を強化した。最悪の事態は1933年に訪れる。被害者数は諸説あるが、本書は富農撲滅運動と飢饉を合わせて1,450万人としている。
現在はホロドモール(→Wikipedia)として知られる、1933年にクライマックスを迎えたウクライナを中心とする大飢饉を、歴史的経緯や当時の政治情勢から、当局が進めた政策とその結果、そして被害者の様子を、多くの証言と文書を元に再現・検証する、衝撃の歴史書。
【いつ出たの?分量は?読みやすい?】
原書は The Harvest of Sorrow : Soviet Collectivization and The Terror Famine, by Robert Conquest, 1986。日本語版は2007年4月20日初版第1刷発行。単行本ハードカバー縦一段組みで本文約568頁に加え、訳者あとがき18頁。年寄りに優しい10ポイントで48字×19行×568頁=約518,016字、400字詰め原稿用紙で約1296枚。文庫本なら上中下の三巻でもいいぐらいの大容量。
文章はハッキリ言って読みにくい。正確さや根拠を大切にする学者の著作だから、まだるっこしい書き方なのは仕方がない。頭のいい人が書いたためか、またはロシア文学の影響か、一つの文が長い。加えて、文学的な効果を期待したのか、妙にもったいぶった表現が多い。
ちなみに Wikipedia によると、著者はイギリスで共産党に入党後、第二次世界大戦中に共産主義に幻滅して反共主義に鞍替えしている。よって本書は明らかに政治的な意図を持った本で、そういう匂いが強く漂っている。
ただし、内容はわかりやすいし、特に前提知識も要らない。当時のウクライナはソ連領だった、ぐらいで充分。敢えて言えば、地名がたくさん出てくるので、ロシア・ウクライナ・カザフスタンなどの地図または Google Map があると更に迫力が増すだろう。
なお訳注は本文中にあり、いちいち頁をめくらずに済むのてとても有り難い。ばかりでなく、その内容も極めて充実していて、より深く読みこなす際に大いに助けになる。また、軽く流し読みするだけでも、「当時のソ連」の雰囲気が静かに漂ってくる。
ちなみに1エーカーは約0.4ヘクタール(40m×100m)。
【構成は?】
訳者あとがき曰く「まず第15章の『子供たち』を読まれたい」。これは実に適切で親切な助言だ。
本書はだいたい時系列に沿って話が進む。
そのため、小説で言えば第1部・第2部は舞台設定の説明にあたる。ここではウクライナとロシアの歴史や共産党の政策、そして党内の派閥争いなどを描く。よく知らない名前がたくさん出てくる上にややこしいので、よほど我慢強い人でなければ、途中で放り出してしまうだろう。
が、それは大変にもったいない。
なんといっても、第3部の迫力がすさまじい。ここでは「何が起きたか」を明らかにする。忙しい人やつまみ食いしたい人は、訳者の勧めに従い「第15章 子供たち」から読み始めるといい。これで興味を持てたら、「第12章 飢餓の猛威」「第13章 荒廃したウクライナ国土」に戻ろう。
その上で更に背景を知りたければ、頭から読むといい。
- まえがき/序文
- 第1部 主役たち 党、農民、国家
- 第1章 農民と党
農民の伝統/農奴解放後/農民の副業/ロシア農業の後進性/ロシア農民論/マルクス主義者の農民観 - 第2章 ウクライナ国家とレーニン主義
ウクライナの独立問題/ウクライナの歴史/ウクライナのロシア化/国家と民族問題/ウクライナ中央ラーダとボリシェヴィキ/ゲートマン政権とウクライナ共産党/ディレクトリヤ政府と第二ソヴィエト政府/ウクライナのボリシェヴィズム/ウクライナ語の問題/ウクライナの「独立」 - 第3章 革命、農民運動、飢餓 1917年~1921年
農村共同体の復活/農村における階級闘争/農民からの食糧徴発/農民戦争/農民戦争の死亡者数/ロシア社会の崩壊/1921年の大飢饉 - 第4章 閉塞期 1921年~1927年
ネップ(新経済政策)/民族問題の譲歩/スターリンの権力闘争と農民問題/経済回復の曙光/共産党の敵たち/村ソヴィエト/「富農」についての定義/「貧農」と「中農」についての定義/階級区分の困難/右派と左派/ウクライナ内部の抗争/不安定な政府
- 第1章 農民と党
- 第2部 農民蹂躙
- 第5章 激突の年 1928年~1929年
1928年の穀物危機、右派の敗北/ウラル・シベリア方式/シャーフトィ裁判/農民の階級闘争/第一次五カ年計画をめぐって/富農迫害の始まり/富農の抵抗/農村における党の活動/1929年 穀物不足/集団化の計画/トーズ(土地共同耕作組合)/コルホーズ幻想/進まぬ集団化/1929年の混迷/要約 - 第6章 「富農」の運命
「富農階級」は存在しなかった/「階級の敵」を必要とした共産党/富農の分類とその処分/年への富農の流入/犠牲になった「富農」の数/富農は虫けらのように抹殺されていった/富農の家族たち/強制移住の実態/生残れなかった人々 - 第7章 急激な集団化とその失敗 1930年1月~3月
農業の集団化/農民の反乱/家畜の大量処分 - 第8章 自由農民の最後 1930年~1932年
農家隣接地/コルホーズを離脱する農民/工業化と「国内旅券制」/工業化と資本調達/コルホーズの窮状/コルホーズ 穀物徴発のシステム/「労働日」/国営農場(ソフホーズ)/馬とトラクター/機械トラクター・ステーション(MTS)/コルホーズの役割 消された経済学者たち/過大な予測と統計のウソ - 第9章 中央アジアとカザフ人の悲劇
中央アジアにおける家畜と人口の減少/遊牧から農業への転換の困難/カザフ社会の「富農」撲滅/農業集団化とレジスタンス/人災の原因/放浪のカザフ人/少数民族の飢餓と逃亡 - 第10章 教会と民衆
無神論と農民/党の宗教政策/反宗教運動の強化/司祭への迫害/教会破壊と農民の抵抗/聖鐘とイコン/キリスト教文化の破壊/福音派教会など/ウクライナ独立正教会とカトリック東方帰一教会イコン/キリスト教文化の破壊
- 第5章 激突の年 1928年~1929年
- 第3部 飢餓テロ
- 第11章 ウクライナへの猛攻 1930年~1932年
知識人への迫害/第二の標的 農民/ウクライナ共産党の苦悶 餓死の始まり - 第12章 飢餓の猛威
小麦を盗んで銃殺に/善意の人々/誠実なコルホーズ議長たち/活動分子と作業班/飽食の人々/蛮行にたいするショーロホフの批判とスターリンの反論/飢えを救うのは感傷的行為だ レーニン/農民の暴動/村をでた人々と「外国人専用店」/計画未達の村への制裁/割り当てを達成しても有罪/ウクライナ共産党への批判/コシオールの見解/解任と銃殺/餓死する人々 1933年/生きた農民にウジ虫が/飢餓による死亡率/飢餓の症状/人肉食い/スターリニズムの病理 欺瞞 - 第13章 荒廃したウクライナ国土
雑草だらけの畑/救護対策/無責任なモスクワ指導部/駅で腐らせた穀物/ウクライナ民族主義への弾圧/ウクライナ知識人にたいする粛清 1933年/全滅のウクライナ/ジェノサイド - 第14章 クゥバーニ川、ドン川、ヴォルガ川
コサックの伝統/B・シェボルダーエフの闘い/コサック村の壊滅/クゥバーニ川流域のウクライナ文化掃討/死の北カフカース/ヴォルガ・ドイツ自治共和国の惨状 - 第15章 子供たち
生存者のトラウマ/餓死する子供たち/母の涙と子供の生き方/浮浪児たち/子供の労働収容所と孤児院の実態/国家の犬にされた子供たち/子供の犠牲者 400万人 - 第16章 死亡者数
人口問題/飢餓による死亡者の数/いろいろな数字/飢餓以外の死/結論 - 第17章 西ヨーロッパの記録
スターリン 欺瞞の手法/真実は隠せない/騙された人々/ウエッブ夫妻の大過/「最大の嘘つき」 W・デュランティ/欺瞞に加担した人々 - 第18章 責任問題
政府の公式見解/スターリンの態度/飢餓の標的 ウクライナ/マルクス主義の責任/総括
- 第11章 ウクライナへの猛攻 1930年~1932年
- エピローグ その後の推移
「勝利者の大会」/農村での粛清/ウクライナの解体/ウクライナの抵抗/その後のウクライナ政策/コルホーズ農業の失敗/大戦後の実績/ルィセーンコと「社会主義的労働の英雄」/その後のコルホーズ/官僚の非人間化/共産主義思想と大量殺戮/秘密主義 - 訳者あとがき
- 原注/文献目録
【感想は?】
「毛沢東の大飢饉」「ポル・ポト ある悪夢の歴史」と並ぶ、人為的な大飢饉を掘り起こした労作。
映画「キリングフィールド」で、ポル・ポトとクメール・ルージュの狂気は世界に知れ渡った。毛沢東の大躍進の愚行も、多くの日本人は知っている。そのオリジナルがスターリンのホロドモールだ。
規模的にも、先に書いたように約1,450万人と、充分に大虐殺の資格を備えている(諸説はあるが)。本書が書かれたのは1986年で、ソ連崩壊以前だ。多くの秘密文書が公開される前の研究なので、数字は不正確ではある。が、ソ連とロシアの性格から考えて、「実際はもっと酷かった」となる可能性が高い。
繰り返すが、ウクライナの飢饉は人為的なものだ。無茶な計画に沿って間抜けな政策を強引に進めたため、単なる不作が大飢饉になった。基本的な構図が大躍進とソックリなのが怖い。
事の始まりは1928年、不作に見舞われる。党はこれを富農のせいにする。が、しかし…
富農とは、実のところ党が経済的な観点から勝手につくりあげた一つの階級でしかなかった。
――第4章 閉塞期 1921年~1927年
共産主義には階級闘争が要る。貴族を倒したソ連は、次なる獲物として富農が狙われた。といっても、大地主とするには程遠い。
「富農」から没収した物資の金額(略)は、1憶7,000ルーブリ(略)、最近では4憶ルーブリという数字もある。もし富農として解体された家族を、100万という公式数字程度に低く見積もったとすると、右の数字は一世帯当たり170~400ルーブリにしかならない(公定の為替レートで計算すると、それは90~210ドルであった)。
――第6章 「富農」の運命
せいぜい馬を数頭持ってるとか、その程度である。つまりは暮らしに多少のゆとりのある農家に過ぎない。党は集団農業への転換も目論んでいる。個人農家が豊かだと、集団農場の魅力が薄れる。
また、豊かな農家は往々にして賢く人望が厚いので、村のリーダー格になる。反乱を起こす際にも、暴徒を率いる頭目になるだろう。党は、そういう人を狙って財産を没収しシベリアに送った。それでも反抗的な村は、村ごと中央アジアやシベリアへの強制移住だ。
豊かになったら党に狙われる。それなら、どうするか。貧しければ狙われない。植え付けを減らし耕作を怠る。牛・馬・豚・羊などの家畜を殺す。または農地を捨てて都市に流れ込む。このサイクルが何年か続けばどうなるか、子供にもわかるだろう。
集団農場の惨状も、まあご想像のとおり。トラクターは壊れて使えず、畑は住居から遠くて通えず、家畜は適切な餌が与えられず飢えて倒れてゆく。そもそも農場を率いる者が農業を知らない。確かに現在のアメリカじゃ機械化された大規模農場が成功している。けど当時のソ連の現状だと…
農業形態のあり方に関係なく、生産高はまったく単純な方法によって高めることができた。(略)鉄鋼製の犂は、当時まだ使われていた木材性の犂にくらべると、その500万倍もの耐久性をもっていたのだ。
――第5章 激突の年 1928年~1929年
と、もっと地道で単純な農機具の改良で充分に増産が可能だった。何せ1930年代だし。
それでも党は徴発を続ける。活動分子は、「手足がまだ腫れていない農民」を怪しんでガサ入れする。飢餓の症状が現れていなければ犯罪者扱いって、どういう世界だ。
そうやって集めた穀物の多くが、無駄に腐っていくから意味が分からない。集荷地で、貨物列車で、駅で、家畜の餌にすらならぬシロモノになってゆく。ドイツの農業専門家は、こう見積もっている。「1933年の収穫の30%近くが失われた」。
だが、この惨状をスターリンは聞かぬ存ぜぬで押し通す。
飢餓に言及した人は、反ソ的プロパガンダの科で逮捕され、ふつうは五年かそれ以上、強制収容所に送られた。
――第12章 飢餓の猛威
知らんわきゃ、ねえのだ。なぜならウクライナとロシアの「国境」は封鎖され、食料を買い出しに出たウクライナの農民は、帰りの列車内で捕まり、食料を没収されている。国境封鎖なんてのは、相当に上位の者が命令しなきゃ出来ることではない。何より…
外国の報道者たちを飢饉地域に入れなかったことが、つまりは当局が現実に進行していることを実際には暗黙のうちに認めていたということになる。
――第18章 責任問題
見られちゃマズいモンがあるから、外人記者を入れないのだ。それでも党は責任を認めない。
官僚制は、責任を上から下へとおしつけてゆく。
――第7章 急激な集団化とその失敗 1930年1月~3月
家畜の大量死を獣医の無能のせいにして獣医を大量処分した、なんてエピソードもある。
なぜこれほど愚かな真似をしたのか。これは目次でうっすら想像がつく。ウクライナが団結して独立を求めるとやっかいな事になる。だから反乱の芽を徹底して摘んでおきたかった、そういう事だ。今でもロシアがウクライナにチョッカイを出してるし、かなり納得できる説ではある。
やたらと量が多い上に、文章もこなれていない。内容も怖く悲しく憂鬱で、じっくり読むと人間不信に陥りかねない。それほど衝撃は大きい。現実を直視する勇気がある人にだけ勧める。
なお、訳注の人物紹介の多くが「銃殺」で終わってるのも、いかにもソ連だったり。
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この後、ウクライナは1940年代にドイツに攻め込まれ、再び地獄の様相になる。キャサリン・メルデール「イワンの戦争」やアントニー・ビーヴァー「スターリングラード」「ベルリン陥落」などを読むと、この土地は呪われてるんじゃないかとすら思えてくる。
というのも。独ソ両軍とも、焦土作戦を展開するのだ。
まずドイツが進撃し、赤軍が撤退する。赤軍は、撤退する際に農地や倉庫を燃やしてゆく。ドイツに食料を渡さないためだ。
本書のような歴史があるので、当初、ウクライナの者はドイツ軍を歓迎する雰囲気すらあった。ところが、食うに困ったドイツ軍は、ウクライナの農家が隠した食料を奪って食いつなぐ。おまけにユダヤ人の虐殺である。これでウクライナ人は一気に反抗的になり、レジスタンスに参加する者も増えた。
やがて形勢が逆転したのはいいが。ドイツが撤退する際も、赤軍と同じ作戦を取った。再び焦土作戦で、種もみまで焼き尽くしていった。どっちが勝つにせよ、ウクライナの民は虐げられるのである。
そういう歴史の末にウクライナの独立があるのだと考えると、現在のウクライナ戦争の意味もだいぶ違ってくるんだよねえ。
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