Diomidis Spinellis, Georgios Gousios編「ビューティフルアーキテクチャ」オライリージャパン 久野禎子・久野靖訳 1
ひとことで言えば、美しいアーキテクチャは、より少ないものでより多くを成し遂げるのです。
――序文
【どんな本?】
IT技術者にはお馴染みオライリー社による、「ビューティフル」シリーズ第二弾。今回は「アーキテクチャ」をテーマに、様々な相反する制約条件を満たすシステムの構造やアイデア,開発手法やコツなどを、有名なエンジニアが惜しげもなく秘儀を披露する。
取り上げるテーマは、経済性と拡張性が求められる大規模オンライン・ゲーム開発環境の Darkstar,安全性と公開性と柔軟性のバランスを取った Facebook, 移植性と実行速度の両立に悩む仮想マシン Xen,16ビットマシンながら究極の不倒性を誇った Tandem16,Java-VM の速度の限界に挑む JPC,もはやエディタなのかOSなのかわからない巨大システム GNU Emacs など、オールスター・キャスト。
【いつ出たの?分量は?読みやすい?】
原書は Beautiful Architecture, by Diomidis Spinellis and Georgios Gousios, 2009。日本語版は2009年11月24日初版第1刷発行。私が読んだのは2009年12月25日発行の初版第2刷。単行本ソフトカバー横一段組みで約404頁。8ポイント48字×38行×404頁=約736,896字、400字詰め原稿用紙で約1,843枚。文庫本なら3~4冊分の巨大容量。
ハッキリ言って文章は直訳風で、慣れていないと厳しい。内容もコードがバチバリ出てくる上に、扱う範囲も運用やサービスからCPUのメモリ管理方式まで幅広いので、全てを読みこなすのはまず無理。自分が興味を持てて理解できる章を拾い読みするといいだろう。
【構成は?】
竹内郁雄の推薦の言葉では「まず『はじめに』まで読み、そのあとは読みたいところから拾い読みするのがよいとある。また訳者も「まえがき」で「本書は1章から読まない方がいいですよ」と釘をさしている。
それぞれの章は完全に独立しているので、推薦者・訳者のアドバイス通り、美味しそうな所からつまみ食いしよう。私は頭から読んだけどw
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【感想は?】
長くなるので、感想は次の記事から。
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