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2013年11月 4日 (月)

リサイクルブック市

 図書館に出かけたら、楽しい行事をやっていた。リサイクルブック市だ。つまりは蔵書の処分なんだが、多くの本が段ボール箱に入って並んでいるのを見ると、つい興奮してしまう。古本市とかは、もうブラックホールだ。そう、多くの本が集まると、時空が歪むのである。

 まず、重力に異常が現れる。なぜかソコだけ異様に重力が強くなるのだ。だから、真っ直ぐ歩いているつもりなのに、自然とソコに足が向かってしまう。明らかに空間が歪んでいる…なぜか本好きにしか作用しないが、これは永遠の謎だ。

 次に、時間の流れがおかしい。ホンの数分しか滞在していない筈なのに、なぜか外では数時間が経過している。実に不思議だ。本当に数時間も滞在していたのなら、疲れるとか足が痛いなどの自覚症状が現れるはずなのに、そんな症状は全く現れない。

 そして、脱出が難しい。脱出した時は、たいてい荷物が重くなっている。不思議だ。きっと集まった情報は、物質と同じ作用をして、時空を歪めるのだ。そうに違いない。

 などと考えつつ、意外な掘り出し物に出会って今はホクホクしている。時間の関係で6冊しか救えなかったが、鼻血物のお宝もある。

 まず、逢坂剛の「カディスの赤い星」。いや彼の作品は読んだことはないんだけど、これは傑作との噂をよく聞く。「スペインを舞台にした小説」ぐらいしか今は知らないが、なかなか楽しみだ。

 次に、筒井康隆の「エロチック街道」。SF者として今まで読んでなかったのが申し訳ないぐらい有名な作品。

 最後に、内藤陳の「読まずに死ねるか!」。本人は「面白本のオススメ屋」と言っているが、私は彼の書評を目標にして書評を書いている。とにかく、彼がギャビン・ライアルやジャック・ヒギンズについて語る時、「ああ、ホントにこの人は好きなんだなあ」ってのが、ヒシヒシと伝わってくる。

 私は、そういう書評が書きたいのだ。私が伝えたいのは、「この本はいい本だ」じゃ、ない。「この本が好き」なんだ。勿論、芸風は内藤氏と全く違う。例えば、彼の一人称は原則として「俺」だ。「陳」だったり「陳メ」だったりするけど、基本的に「俺」が似合う文章だ。対象も違う。彼は冒険小説が中心だが、私はSFが多い。それでも、目指す所は、彼が目指した所と同じだと思っているし、なんとか彼の芸を盗みたいと思っている。

 と同時に、彼のシリーズは、ブックガイドとして役に立つ。「深夜プラス1」は、本当に面白かった。特にハーヴェイ・ロヴェルのカッコよさったら。「鷲は舞い降りた」は勿論、船戸与一を読み始めたのも彼に勧められたからだ。大藪春彦に凝った時は大変だった。早く次巻が読みたくて夜中に深夜営業の本屋を探し自転車で隣の市まで駆け回った。アホか、私は。

 とまれ、今は積ん読も溜まってるし、どうしたものやら。

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