SFマガジン2011年9月号
ロボットに手を抜くことはできない。そんなことをすれば、すぐ子どもたちにはわかってしまう。 ――マイケル・ベイ・インタビュウより
ここ1年半ほど買ってなかったSFマガジンを久しぶりに買った。随分様変わりしてる。なんたって、小説が3本しか載ってない。しかも、一作は連載(山本弘 輝きの七日間)で2作は既に紹介済みの作品(コードウェイナー・スミス アルファ・ラルファ大通り,サミュエル・R・ディレイニー 時は準宝石の螺旋のように)。どういうこっちゃ。あ、夢枕獏&寺田克也の十五夜物語もあったか。
特集は「SFスタンダード100ガイド・PARTⅠ」として、著名な海外SFを紹介してる。「おお、これがあったか」とか思いつつ、結構読んでないのもある。銀河帝国興亡史,結晶世界,スローターハウス5,エルリック・サーガ,歌の翼に,新しい太陽の書,紅の勇者オナー・ハリントン,氷と炎の歌,犬は勘定に入れません,アメリカン・ゴッズ,彷徨える艦隊,リトル・ブラザー,時の地図,ねじまき少女…。しかし最近は「ねじまき少女」と聞くと東雲なのを思い浮かべてしまうから、もうダメかもしれない。
レムは「ソラリスの陽のもとに」が入ってる。私は「砂漠の惑星」の方がわかりやすくて好きだなあ。映画化するにしても、砂漠の方が見栄えすると思うんだけど、あなた、どう思いますか。
ローカスのベストセラー・リストはペーパーバックでのジョージ・R・R・マーティンの暴れっぷりが凄い。上位5冊中4冊を占めてる。「4月からテレビドラマ版の放映が始まった」って、あんなもんテレビがドラマ化するとは豪勢な。いや読んでませんけど、予算が半端ないだろうことは想像できるんで。
冒頭の引用は「トランスフォーマー/ダークサイドムーン」の公開が迫るマイケル・ベイ監督のインタビュウより。今作は3Dらしく、その辺を「映画雑誌かいっ」というぐらい突っ込んで聞いてる。カット割りの長さがどうとか、アップにすると云々とか。第一作でも米国空軍の対応などリアリティに拘ったベイ、これでもアポロ計画には気を使った模様。いや中身はおバカなアクション作品なんだけどね。楽しみにしてます。
「いつの間に始まったんだ?」と驚いたのが池澤春菜とCOCOのエッセイ頁。「破局のシンメトリー」を引き合いに出すとはタダモノではない。今回は恐ろしいテロのお話。これは盲点だったなあ。
大森望の「新SF観光局」は PodCast でのコニー・ウィリスとテリー・ビッスンの対談のお話。コニー・ウィリスは「航路」での登場人物の饒舌ぶりに呆れたけど、あれ、ソープオペラのパロディかと思ったら、本人がそういう人だったのね。
Reader's Story「地球の守護神」は車田正実あたりが描きそうな物語。このままSFバカ本の収録してもいいぐらいの爽やかな感動作。好きです、こういうの。
巻末、もうひとつの特集がサミュエル・R・ディレイニー。噂の「ダールグレン」が国書刊行会からやっと刊行されるそうで。相変わらず国書刊行会はマニアックだなあ。
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