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2010年6月28日 (月)

まだとどかない

 書評(というより感想文のレベルだな、私の場合)を書き始めた頃、前田有一の超映画批評 を見習いたいと思っていた。今でもそれは変わらないんだけど、最近は忘れがちなんで自戒のために改めて明記しておく。

 前田氏のサイトの最大の特徴は、「映画を楽しんでもらう」ことを目的としている点。映画を消費されていく娯楽として見て、その上で、なるべく多くの人に映画を好きになって貰おうとしている。人によって映画の好みは違う。当り前といっちゃ当たり前なんだが、素人が書籍や映画などのコンテンツを批評する際には、つい忘れてしまいがち。前田氏はこの辺を常に意識していて、映画を紹介する際には以下のような点の記述を忘れない。

誰向けか。
飛行機代好きな人はトップガンに狂喜するけど、恋愛物が好きな人はローマの休日の方を好むだろう。女性向けの映画を男が見ても、あまり楽しめまい。だたし、女性をデートに誘う場合は別だが。一部のファンには熱狂的な人気があるが、他の人からはソッポを向かれる、いわゆるカルト的な人気の監督もいる。こういった点も考慮して、「○○ファンにはたまらない逸品だが、そうでなければ駄作」などと評したりする。

見はどこか。または、どんな視点で見ると楽しめるか。
これは大抵の映画評論でもよくある記述なんで、前田氏に限った事ではないのだけど。この辺は淀川長治氏が最も上手だったかもしれない。ただ、女優の魅力を伝える点では、前田氏の方が秀でていると思う。本能に忠実というか、官能的というか、正直というか。いやもう文句なしに共感してしまうのですね、はい。

事前情報が必要か。
シリーズ物などでは、前作の内容を把握していないと意味不明になってしまう作品がある。また、TVのスピンアウトの場合は、TVシリーズを知らないと楽しめない場合もある。また、政治や社会情勢が絡む場合は、予めニュースなどで状況を把握した方がいいかもしれない。

 加えて感心するのは、「ネタバレしない」事を徹底している点。例え予告編やパンフレットでネタバレしていても、「見ない方がいいよ」と警告してくれてる。ネタバレせずに面白さを伝えるのはかなり難しいんだが、前田氏はその辺が実に巧い。私もフィクションを紹介する際は強く意識しているが、ドキュメント物は逆にあらすじの紹介になっている。ドキュメントの場合は自分の備忘録も兼ねているんで、仕方がないかな、と諦めている。

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