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2007年5月の9件の記事

2007年5月30日 (水)

銭湯

気分転換に銭湯に行ってきた。¥420。時間が早かったせいか、年配の人が多い。足を伸ばしてお風呂に入るのって気持ちいいね。市街を歩くとき、洗面器を脇に抱えてると多少だらしない格好でも大目に見てもらえる気がする。なんかちょっと面白い。日曜日の朝8時から朝風呂もやってるそうな。今度、行ってみよう。

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2007年5月27日 (日)

石田純一「宗教世界地図」新潮文庫

 世界各地の紛争や問題を、宗教と言う切り口で紹介している。雑誌 Foresight 連載のコラムをまとめた本。各コラムは4頁程度なので、興味のある部分だけぽつぽつと拾い読みしてもいい。やはりイスラムとキリスト教が多く、仏教はミャンマーとチベットぐらい。地域では、やはり中東と北アフリカが多い。東南アジアのイスラムとしてインドネシアとマレーシアを紹介してるけど、「穏和で多様」と表現している。

 力が入っているのは中東で、シリア・ヨルダン・イスラエル・イラク・イラン・レバノン・エジプトと盛りだくさん。単行本刊行が平成5年4月というから1993年で国際情勢の変化を考えると少々古い感はあるが、まあ楽しく読めた。南米の解放の神学を扱っているあたり、結構目配りも効いているように思う。楽しみながら国際情勢を知るにはいい本だろう。

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2007年5月26日 (土)

ビング・ウエスト「ファルージャ 栄光なき死闘」早川書房

 イラク ファルージャでの合衆国海兵隊員の戦いの生々しい記録。

 2003年4月のバグダッド陥落後もイラクは不穏な状態が続いている。特にファルージャはスンニ派の支配が強く、武装勢力と合衆国との衝突も激しい。多くの日本人にとってファルージャは三人の日本人が人質になった事件で有名だろう。物騒な雰囲気だけはニュースで伝わってくるが、その実態はどんなものなのかまではあまり報道されない。本書はその実態を、前線で戦う将兵の視点を中心に生々しく伝えている。

 著者は元海兵隊員。そのためか海兵隊員の視点からの描写が多く、武装勢力側の視点は一切ない。かといってアメリカ万歳でもなく、矛盾の多いブッシュ政権の政策や多国籍軍のイラク統治組織・手法にも容赦なく批判を浴びせている。

 正面戦闘なら海兵隊は苦戦しなかっただろう。しかし、ファルージャでは市民が普通に生活していて、武装勢力は市民に溶け込んで突然攻撃を仕掛けてくる。よくあるパターンはこんな感じ。

 民間人がたむろしてる横を海兵隊員が通りかかると、横の路地からいきなり銃撃される。海兵隊員が反撃しようとすると、武装勢力は市民に紛れて逃亡する。反撃しようにも民間人が邪魔になって発砲できず、武装勢力はまんまと逃亡してしまう。

 武装勢力の主な武器はAK47(自動小銃)とRPG(手持ちのロケット砲)、それにIED(即製爆発物)。特にIEDが怖い。金属片をまとめたものに携帯電話などを発火装置にする。犬の死体や樽・段ボール箱や車に仕掛けて1ブロックほど離れた所から爆破スイッチを押す。市民が生活している町なら隠す所はいくらでもあり、いつ爆発するかわからない。攻撃対象は米軍兵士だけでなく、米軍に協力的な政治家も対象となる。

 現地の市民達も非協力的で、有力者と言われる者達を集めても態度が煮え切らない。そもそも、本当の実力者が誰なのかがわからない。仮に協力的に見える者でも、武装勢力から脅されるとあっさりと寝返る。ゲリラのリーダー、ジャナビの言葉がうまく彼らの態度を表している。「金を渡しなさい。あとは自分たちでできます。」

 ワシントンの政治化も日和っぷりは似たようなもので、海兵隊が武装勢力を圧倒し始めると停戦命令を出して敵に戦力を増強する時間を与えてしまう。結局、総攻撃はは2004年11月まで持ち越される。激しい市街戦の末にファルージャの3万9千戸の建物のうち1万8千戸が半壊または全壊する。だったらちまちま市街戦なんかやらないでB52で爆撃した方が早かったんじゃねーの、と考えてしまう。この辺も政治的な妥協の産物なんだろうな。

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2007年5月15日 (火)

リー・コープランド「はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法」日経BP社

 ソフトウェアのテスト技法の概要を一通り手っ取り早く知りたい人に。

 まえがきでこの本の位置づけを明確に示しているのは良心的だと思う。体系的に詳しく知りたい人には「体系的ソフトウェアテスト入門」を勧める、とまえがきの最初の頁にある。あくまでも入門書であり、これ一冊で実際にテスト計画を作り実施するのはさすがに無理だろうが、人が作ったテスト計画の傾向を読み取ったり、自作のソフトを効果的にテストしたい人には便利だろう。技法の紹介が中心で、テストチームの編成やプロジェクト内の位置づけなど、人員配置については触れていないので、プロジェクトのマネージャやリーダーには物足りないかもしれない。

 目次がそのまま内容を示している感があるので引用する。

第1章 テストのプロセス
第2章 ケーススタディ
-- Section 1 ブラックボックステスト技法 --
第3章 同値クラステスト
第4章 境界値テスト
第5章 デシジョンテーブルテスト
第6章 ペア構成テスト
第7章 状態遷移テスト
第8章 ドメイン分析テスト
第9章 ユースケーステスト
-- Section 2 ホワイトボックステスト技法 --
第10章 制御フローテスト
第11章 データフローテスト
-- Section 3 テストのパラダイム --
第12章 スクリプトテスト
第13章 探索的テスト
第14章 テストの計画
-- Section 4 支援技法 --
第15章 欠陥の分類
第16章 テストの終了判定
-- Section 5 最後の考察技法 --
付録 ケーススタディの説明

 さすがに250頁でソフトウェアテストを完全に解説するのは無理だとしても、概要を俯瞰できる程度には掘り下げてある。経験豊富なプログラマだと、ブラックボックステスト技法のいくつかは無意識にやっているんじゃないかな。それらが分類され名前がつくってだけでも意味はあると思う。例えば後輩を指導する際の指標になるし。この辺はデザインパターンやエクストリーム・プログラミングにも言えることだよね。

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2007年5月14日 (月)

ロビン・ダンバー「科学がきらわれる理由」青土社

 科学教育再生に向けた提言。

 著者は科学を否定したいのか肯定したいのか、よくわからない紛らわしい書名だな、と思う。答えは後者で、著者は英国の科学教育の低迷と理系離れを憂い、その復活のための提案を掲げている。アプローチも理性的といえるだろう。文章の多くを(書名の通り)科学が嫌われる理由に割いていて、最後にその対策を提案して終わっている。

 全般を通し、「科学批判の多くは誤解に基づくものだ」という主張が繰り返し出てくる。例えばアリストテレスへの批判を論じた部分。アリストテレスは優れて科学的な手法を用いていたと著者は主張する。彼が間違っていたのは、彼の取りえる手段・技術に限界があったからだ、と。その証拠として面白い数字を挙げている。以下の表の「彼」は「アリストテレス」に読み替えて欲しい。

彼が自分で確認できた 彼が自分で確認できなかった
彼が正しかったもの 32 2
彼が間違ったもの 2 10

 アリストテレスが自分で確認できたものに関しては正しかったものが大半で、間違ったものは顕微鏡が必要などの理由で確認できなかった事柄に集中している。そして、アリストテレスは経験主義者であり、できるだけ自分の手で調べるよう主張していた。

 科学者が文化的に貧しいという批判に対してはA.C.クラークやアジモフなどのSF作家、モーツァルトの目録を作ったケッヘル等の例を挙げつつ、「人文系を本職とする人々は、平均的な科学者が文化的な素養があるのと同じくらいに科学の素養があるのかと問うべきだ」と辛らつな批評をしている。やんや。

 かといって単に批判だけで終始しているわけではない。最後の10章「帰属の分裂」で科学教育を再生するための様々な試みと、著者なりの意見を出している。人は自分に関係の深い事柄に強く興味を持つ、だから動物の行動・生態学・心理学に重点をおいてはどうか、と。この意見の前半はうなずけるが、後半には賛成できない。けど、著者が科学教育の再生を心の底から願っているのは伝わってくる。どんな知識であれ、それを伝える最善の方法はその面白さを伝える事だと思う。

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2007年5月12日 (土)

ロバート・アスプリン&ピーター・J・ヘック「銀河おさわがせ執事」ハヤカワ文庫

 ユーモアSFシリーズ第六弾。やや息切れの感があるなぁ。

 シリーズはこんな感じ。

 オメガ中隊はクセ者があつまる宇宙軍の吹き溜まり部隊。一見礼儀正しいが奇妙な質問で上官をいらだたせるマハトマ、おたずね者のスシ、喧嘩っ早いドューワップ、妙な宗教に入り込む牧師のレヴ…。そんなオメガ中隊をまとめるのは億万長者のウィラード・フール大尉。資産力で隊の福祉厚生を向上させ、隊員に賢明な資産運営を教え込み、適材適所で隊員の能力を引き出し、独特の方法で中隊をまとめ上げる。フールを快く思わない上官のブリッツクリーク大将の思惑や数々のトラブルにもめげず、オメガ中隊は宇宙軍の輝ける星となるのであった。

 一応舞台は軍隊だけど、血生臭い戦闘とかは一切ない。口絵のカラーイラストもゴルフだったりするし、まあのんびりしたもの。

 さて今回の騒動は。フールの執事ビーカーは、ある意味で中隊一のしっかり者。主人を助け時には検挙に適切な助言を与え、時にはフールのアイデアを実現するため様々な手配をする。そのビーカーが恋人と共に突然休暇を取って旅行に出てしまう。ところがフールとビーカーには特殊な事情があって、フールは緊急にビーカーと連絡を取る必要があるのだ。ビーカーを追いかけて中隊を留守にして銀河を駆け回るフール。しかし間の悪いことに、フールを目のカタキにするブリッツクリーク大将が、フールの揚げ足を取る材料を集めるためにオメガ中隊の視察を思い立った。

 ビーカーを追いかけて銀河の観光惑星を廻るフールのトタバタ・そのフールを追うスシとドューワップの珍道中・ブリッツクリーク大将の対策に頭を悩ませる中隊の面々が交互に描かれる。中隊の全員が一丸となるシーンがないのが寂しい。最初の方で、マハトマが新入隊員サンパーを鍛える(?)シーンがあるんだが、それが伏線になっているわけでもない。なんか散漫な印象があるんだよな。まとめ方も強引であわただしいし。

 まあ、次回に期待って所かな。

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2007年5月 9日 (水)

高林哲,鵜飼文敏,佐藤裕介,浜地慎一郎,首藤一幸「BINARY HACKS ハッカー秘伝のテクニック100選」オライリージャパン

 プログラマの麻薬。

 この手の本に興味を持つ人は限られているだろう。そして、その限られた人にはたまらなく楽しい本であり、そうでない人には意味不明なハナモゲラでしかない。何の役に立つのかと聞かれたら答えに詰まるが、読んでいて楽しい事だけは保障できる…その手の人には。

 書名どおり、低レベル(機械に近い部分)のプログラミングを扱った本。ただしデバイスドライバの様な周辺機器ではなく、実行時のコード書き換えなど CPU 周りが中心。ライブラリや実行ファイルを読み書き実行するテクニックを紹介している。プロセッサは x86 が中心で PowerPC が少し。OS は Linux が中心で BSD, Solaris が少々。

 具体的なテクニックの紹介が中心であり、ソースプログラムを豊富に掲載している。そういう意味では実用的な内容である反面、基礎的・理論的な説明は少ない。お勉強のために読む本ではなく、基礎が出来ている人が実際に作るための本とも言える。しかし、これから勉強したいと思っている人であっても、16進ダンプを見ると血が騒ぐ類の人であるなら充分に楽しめるだろう。

 1章は file 命令の中身や od など、通常ファイルの扱い。2章ではデマングルなどライブラリや実行ファイル中のシンボルの操作。3章では実行時のコード生成やスタック上のコードのコード実行など、ある意味危ない世界を紹介している。「31. main() の前に関数を呼ぶ」のテクニックは盲点だった。見事なアイデアに脱帽。4章はオーバーフローの検出や0と NULL の違い、fakeroot など安全性を確保するテクニックの紹介。5章は実行時のライブラリのロード・コールチェインの制御・プログラムカウンタの取得・関数のフックなど、実行順序を制御する技術を紹介している。インタプリタを作りたい人なら鼻血必然の内容。6章はプロファイラやデバッガの使い方。7章ではその他の Hack としてガベージコレクション機能つきのメモリ割り当てライブラリ BoehmGC, コルーチンライブラリ PCL, クロック数のカウント, 浮動小数点のビット列表現を扱う。

 最後に参考文献リストもあって、サービスは充分と言えるだろう。不満があるとすれば、まだ続巻が出ていないって点かな。著者が全員日本人というのも、少々誇らしい。いい時代だなぁ。

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2007年5月 8日 (火)

SFマガジン2007年6月号

 前号に続き異色作家特集。なんかSFマガジンだかミステリマガジンだかわかんなくなってきてるなぁ。特集のうち2編がロシアで中国とメキシコが1篇づつ。

 ミハイル・ヴェレルの「パリに行きたい」は…えーっと、SFマガジン掲載ってのが逆に面白さを削いでいる気がする。ロシアというよりソヴィエトの小説だな。
 少年の頃からずっとパリに憧れ続けた男の物語。ソヴィエトの田舎に生まれたコレニコフは映画「三銃士」を見てパリに憑かれた。図書館で三銃士や二十年後を借りて熟読し、秘密のルートでファッション雑誌を手に入れ、地元の仕立て屋をこき使う。レコードでフランス語を学び、オニオンスープと蛙の煮込みを調理する。結婚して子供ができ、家族のために働き続けるうちに情熱は冷めたように見えたが…
 解説は必読。作品の読了後に読んだ方がいかも。

 続くヴァジム・シェフネルの「沈黙のすみれ」は、あまりロシアに拘らずに楽しめる。列車で同室になった男は奇妙な頼みごとを持ちかける。「あなたをなぐらせてください」と。聞けばこの男、かなりの不幸を背負っていて…
 いやあ、そりゃ不幸だよなぁ。でも男って多かれ少なかれそんな部分があるよね。勝手に美化して妄想を膨らませ、現実を思い知って後悔する。しかし×ってなんだってあんなに…

 大森望のSF観光局では、噂の最相葉月「星新一 1001話をつくった人」をレビューしている。かなり好意的であると同時に、SF者でない人に優れた星新一伝を書かれてしまった悔しさも伝わってくる。まさしく水玉流「しまった」感というか。これは読まねば。

 ところで「今日の早川さん」はいつ出るんだろう。当然、富士見さんのフルカラー大判ポスター付きだよね←何を期待している?

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2007年5月 3日 (木)

ジョン・トーランド「勝利なき戦い 朝鮮戦争 下」光人社

 上巻は1950年6月24日の開戦・仁川上陸に伴う逆襲・中共義勇軍参戦による反撃を経て1950年11月28日までを収録している。下巻は連合軍の撤退から38度線近辺での一進一退・マッカーサーの罷免とリッジウェイの着任・トルーマンからアイゼンハワーへの大統領交代を経て長引く停戦交渉から1953年7月27日の休戦合意に加え、双方の捕虜収容所および捕虜交換の様子も描かれる。

 下巻に記述があるが、人民解放軍の戦術のパターンはだいたい決まっている。まず比較的手薄な韓国軍に対し攻撃を仕掛けて戦線に穴をあけ、あいた穴に大兵力をつぎ込んで国連軍の後ろに回りこみ包囲殲滅する。敵の弱い部分に戦力を集中する、凡庸で教科書どおりとも言えるが適切な戦術だと思う。
 制空権がないので昼間は動かず、夜間に徒歩や牛馬で山間部などを伝って補給・浸透し、戦線を混乱させる。制空権がなく重砲が貧弱で輸送部隊も機械化されておらず、兵の数だけは存分にあり道路は未整備で起伏に富んている半島の地形を考えると、これも理にかなっている。

 北の捕虜収容所の待遇はかなり悲惨で、拷問を含む自白の強要・非協力的な捕虜への虐待・毎夜の共産党の政治集会など陰険な圧力を四六時中かけられる模様の証言が多い。そのくせ記者会見や捕虜開放などマスコミの前に捕虜を登場させる際は、数日前から豊かな食事や暖かい毛布などを与えるなど、あからさまな報道工作を行っている。

 下巻で鉄の三角地帯攻略にてこずる連合軍の将兵が核を待望する場面もあって、ちょっと複雑な気分になる。単なる「でっかい爆弾」程度にしか考えていないのがよくわかる。黒い雨とか放射能汚染の事は何も知らないんだろうなぁ。

 終盤近く、捕虜の移送先はジュネーブ条約に基づき個人の自由意志に委ねるべきと主張する国連軍に対し、共産軍は全捕虜の帰還を求め、捕虜交換交渉が停滞する。この状況にいらだった韓国の李承晩大統領が、反共主義の捕虜を勝手に解放する場面がある。褒められたことじゃないのはわかってるけど、内心喝采してしまった。

 全体を通して制空権ばかりでなく制海権も連合軍が握っていたようで、海岸線近辺は海軍の艦砲射撃の援護を受けられたみたいだ。その割りに開城が手に入らなかったのは政治的な何かがあったのかな。

 ずっしりと読み応えがある事は確実。じっくり時間をかけ、出来れば地図を手元において読もう。

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