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2007年5月15日 (火)

リー・コープランド「はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法」日経BP社

 ソフトウェアのテスト技法の概要を一通り手っ取り早く知りたい人に。

 まえがきでこの本の位置づけを明確に示しているのは良心的だと思う。体系的に詳しく知りたい人には「体系的ソフトウェアテスト入門」を勧める、とまえがきの最初の頁にある。あくまでも入門書であり、これ一冊で実際にテスト計画を作り実施するのはさすがに無理だろうが、人が作ったテスト計画の傾向を読み取ったり、自作のソフトを効果的にテストしたい人には便利だろう。技法の紹介が中心で、テストチームの編成やプロジェクト内の位置づけなど、人員配置については触れていないので、プロジェクトのマネージャやリーダーには物足りないかもしれない。

 目次がそのまま内容を示している感があるので引用する。

第1章 テストのプロセス
第2章 ケーススタディ
-- Section 1 ブラックボックステスト技法 --
第3章 同値クラステスト
第4章 境界値テスト
第5章 デシジョンテーブルテスト
第6章 ペア構成テスト
第7章 状態遷移テスト
第8章 ドメイン分析テスト
第9章 ユースケーステスト
-- Section 2 ホワイトボックステスト技法 --
第10章 制御フローテスト
第11章 データフローテスト
-- Section 3 テストのパラダイム --
第12章 スクリプトテスト
第13章 探索的テスト
第14章 テストの計画
-- Section 4 支援技法 --
第15章 欠陥の分類
第16章 テストの終了判定
-- Section 5 最後の考察技法 --
付録 ケーススタディの説明

 さすがに250頁でソフトウェアテストを完全に解説するのは無理だとしても、概要を俯瞰できる程度には掘り下げてある。経験豊富なプログラマだと、ブラックボックステスト技法のいくつかは無意識にやっているんじゃないかな。それらが分類され名前がつくってだけでも意味はあると思う。例えば後輩を指導する際の指標になるし。この辺はデザインパターンやエクストリーム・プログラミングにも言えることだよね。

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