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2007年3月20日 (火)

ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」講談社学術文庫

 この手の本にしては文体が平易で読みやすい。「遊び」という切り口で人間の社会と文化を分析している。全体は第一部・第二部・補論・参考資料の4つに分かれている。

 第一部では遊びの分析を試みる。まず、以下四つの分野を挙げる。

  • アゴン=競争:平等な条件下で能力を競う。スポーツやチェスがこれにあたる。
  • アレア=運:偶然が勝敗を決めるもの。要は博打。くじ・ルーレットなど。
  • ミミクリ=模倣:本来の人格を忘れ他の人格を装う。物まね、仮装、~ごっこ。
  • イリンクス=眩暈:知覚の惑乱。メリーゴーランド、ブランコ、スキー。

 その上で、それぞれを更に二つの極でわける。

  • パイディア=遊戯:気晴らし、騒ぎ、発散。
  • ルドゥス=競技:努力・忍耐・技・器用さによって目標に到達しようとする。

 第二部では上記の4分野を基に文化を計ろうとする。原始の社会ではミミクリとイリンクスが主であったが、次第にアゴンとアレアが取って変わったと述べる。

 一般には第一部の4分類が有名で評判がいい。SFでいうセンス・オブ・ワンダーはイリンクスになるのかな。コンピュータ・ゲームはアゴンとアレアの配分が大事だよね。RPGだとそれにミミクリが加わる。経験地稼ぎはルドゥス?試験のあとの開放感はルドゥス→パイディアの落差がもたらすものかも…などと妄想のタネとしてはいいかも。

 第二部も様々な文化の奇妙な風習や博打の紹介が面白かった。コスプレはミミクリの現代社会への再湧出と言えるのかな。

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