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2007年3月 3日 (土)

ヘンリー・ペトロスキー「橋はなぜ落ちたのか 設計の失敗学」朝日選書

 橋の崩落などの具体例をひもとくケーススタディを通して、設計の失敗に共通する点を探っている。著者は説く。成功例より失敗例にこそ学ぶべき点が数多くある、と。全くその通りだと思う。

 書名が示すように、橋の例が多い。特に後半は鉄橋の設計史の感がある。図版や写真が多くて面白い。
 従来の木材や石材に替えて鉄を使い始めた当初、設計者は慎重に事を運ぶ。考えうる限りの破損に対し対策を施し、大き目の安全率を見込み、模型を作って検証する。数多くの成功を積み重ねるにつれ、より長い橋に鉄が使われ始める。成功を積み重ねるうちに経済性や美観を追求するため、次第に安全率を小さく取るようになる。やがて、初期は見逃されていた、だが充分な安全率の為に問題にならなかった、「力」が、規模の拡大とともに大きな影響を及ぼすようになり、ついに橋が崩落する。ちょっと Youtube を漁ったらありましたよ、有名なのが。

タコマ橋の崩落 Tacoma Narrows Bridge Collapse
http://www.youtube.com/watch?v=maxv71MLJ-w

 しかし、短い棒より長い棒のほうが折れやすい理由、感覚じゃわかるけど、力学的にちゃんと説明しろと言われたらできないなぁ。

 関係ないけど、近所のスーパーでこんなの見つけたんで買ってしまった。

 写真: http://www.morinaga.co.jp/newprod/2006-11/img/new_b02.gif
 記事: http://www.morinaga.co.jp/newprod/2006-11/

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