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2007年3月の25件の記事

2007年3月30日 (金)

SFマガジン2007年5月号

 今月は異色作家特集ということで、SF色は薄い。特集で一番面白かったのは、実は小説じゃなくてクリストファー・コンロンの「カリフォルニアの魔術師たち」。TVドラマの創生期に「ミステリー・ゾーン」の台本で活躍したカリフォルニアの若き脚本家たちの連帯とお祭りの日々を綴ったエッセイ。ブラッドベリを後見役とし、チャールズ・ボーモントと中心に、ウイリアム・ノーラン、ジョン・トマーリン、チャド・オリヴァーなどが登場する。今でもこの手のどんちゃん騒ぎがシリコンバレーで続いてるんじゃないかな。なんかカリフォルニアってそんな印象がある。
 小説だと「ウイリー・ワシントンの犯罪」が印象深い。無学で貧しいが敬虔なクリスチャンの黒人ウイリー・ワシントンは無実の罪で死刑を宣告されるが…。

 「SF挿絵画家の系譜」は真鍋博。星新一の文庫本のカバーで覚えている。シャープで無機的な雰囲気が星新一の作品とうまくマッチしてたのを覚えてる。

 梶尾真治の怨讐星域「ハッピーエンド」は地球に残った人たちのお話。主人公は若いカップルなんだが、脇役の老夫婦が主人公を食っちゃってる。OKAGE もそうだけど、最近の梶尾さんは永く寄り添った老夫婦を書くのが巧いなあと思う。

 第2回日本SF評論賞は正賞はなし、優秀賞が2作。今回はハインラインの「宇宙の戦士」を論じる「国民の創生--<第三次世界大戦>後における<宇宙の戦士>の再読」を掲載。あれはファシズムと軍国主義礼賛じゃないよ、反共主義を唱えコミュニケーションの重要性を訴える話なんだよ、そんな主張。内容には素直に納得できないけど、面白い文章ではある。ドイツ系移民と軍の関係を掘り起こすくだりはなかなかの迫力。

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2007年3月29日 (木)

無意味な法則

歩行者用信号の法則:
歩行者は青が点滅している間は走るが赤になると歩きだす

発言者の法則:
会議や会談などで発言しようとする者は「スーッ」と音を出して息を吸う

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2007年3月28日 (水)

住所

この文章に登場する地名・団体・人物等は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。

 今更だがネットバンキングやテレホンバンキングを始めようと思た。いくつかの銀気に口座を開こうとしたら、少々面倒な事態になっている事がわかった。口座を開くためには本人と住所を確認するシロモノが必要で、大抵は運転免許証のコピーと電話・ガス・水道などの公共料金の請求書または領収書になる。問題は、1)運転免許証記載の住所 と 2)公共料金請求書の住所 がそれぞれ違うこと。それぞれ、今はこうなっている。

1)東西県 南市 北町 1-2-3 456号シモダアパート
2)東西県 南市 北町 1-2-3 コーポ上原 456号

 郵便物はどちらでも届く。つまり、どっちの住所も同じ場所を示している。普通に生活している分には特に不便を感じないのだが、今回のように住所の証明が必要な際は少々面倒な事になる。複数の銀行に郵便で口座開設を申し込んだのだが、そのうちいくつかの銀行に書類の再提出を求められてしまった。

 住所の表記が違っている事情は、少々ややこしい。見てわかるように、今住んでいるのは賃貸アパートの一室だ。私が引っ越した当時、下田さんが大家さんで、建物の名前もシモダアパートだった。数年前に下田さんがこの建物を上原さんに売り、上原さんが大家さんになった。同時に、建物の名前がコーポ上原に変わった。今日、市役所に行って聞いてきたのだが、建物の名前が変わった時点で私が市役所と警察に住所変更の手続きをしていれば何の問題もなかったのだが、怠慢こいて放置した結果、こうなってしまった。

 結局、銀行に事情を説明して、運転免許証ではなく健康保険証のコピーを再送付することになった。再送付の結果はまた追って。

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2007年3月27日 (火)

野菜を沢山食べる

注意:ちくわぶは医師でも栄養士でもありません。ダイエットに関しては、専門の医療機関に相談してください。というか、この方法だと三大栄養素中の脂肪が不足しがちなので若い人には勧めない。

 数年前は体重が適正体重より5kgほど多かった。以来、体重に気を使う様になって、3年かけて8kgほど体重を落とした。今は逆にやせ過ぎの感があるんで、少し太ろうかと思っている。

 食べるカロリーより使うカロリーが少なければ太るし、多ければ痩せる。当時はいかに食べるカロリーを減らすかを焦点に考えた。とはいえ食べる事は好きなんで、あまり量は減らしたくない。

 一般にカロリーが大きいのは油で、次に炭水化物。例えば植物油は 100g で 923Kcal, 小麦粉は 100g で 370Kcal もある。逆に少ないのは野菜とキノコ類。例えば大根は 100g で 15Kcal, えのきたけに至っては 100g でたったの2Kcal。

 100g の小麦粉と同じカロリーを取るためには、大根なら1kg以上食べなきゃいけない。実際にはそんなに沢山食べられる筈はないから、野菜を中心に食べていればまず太る事はない…と、思う。

 最大の問題は間食のお菓子。例えばポテトチップは油と炭水化物の塊みたいなものだ。

 まあ、そんな風に原因が分かっていれば対策も立てられる。3度の食事で油を避け、間食をしなければ自然と痩せられる筈。とはいえ、間食を我慢するのは少し工夫が必要だろう。そんなわけで、やってきたのは以下の項目。

  • 揚げ物を避けて野菜とキノコと海草をたくさん食べる。一つの食品だけを食べていると飽きるので、季節の旬の物を食べるようにする。味付けは薄味にして、多くの量を食べられるようにする。充分に出汁を使うのがコツ。
  • おかずを増やしてご飯を減らす。
  • 油が多い牛肉や豚肉は避ける。ただ、タンパク質が不足するといけないので、少なくとも一日に一度は豆腐・卵・鶏肉・魚などを食べるようにする。私はそれに加えて牛乳(低脂肪乳だが)を毎日飲んでいる。
  • 3度の食事は充分に食べる。中途半端にお腹が空くとついお菓子を食べ てしまう。
  • 規則正しい生活をする。生活が不規則だと、つい夜食をとってしまう。
  • 睡眠を充分に取る。睡眠不足だと妙にお腹が空いて(以下略)。
  • 何かを食べたら、たとえチョコレート1個でも必ず歯を磨く。歯磨き粉はつけない。3日ほど続けると、食べた後に歯を磨かないと気持ち悪く 感じるようになる。とはいえ歯磨きは面倒臭いんで、自然と間食をしなくなる。
  • 炭酸飲料は避けて麦茶やウーロン茶にする。でもコーヒーは止められなかった。
  • マヨネーズは避けてポン酢を使う。

 実際、食べる量は以前より2~3割増えたが、体重は順調に減った。主な出費は体重計と体脂肪計ぐらい。むしろお菓子を食べなくなった分、 食費が減っている。

 なお、食品ごとのカロリー量は京都 舞鶴の乾物屋-「しらはせ」-さんの舞鶴の乾物屋「しらはせ」カロリー表を参考にしました。100g あたりの Kcal がわかるので とても便利です。

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2007年3月26日 (月)

ジェイムズ・ブリッシュ「地球人よ、故郷に還れ」早川書房世界 SF全集20

 50年代テイスト漂うやりたい放題のスペース・オペラ、ただし語り口はしかめっ面。

 ブリッシュの代表作である宇宙都市シリーズ第三弾。遠い未来、地球上の多くの都市は星間航法スピンデイジーの力を得て宇宙に旅立った。仕事を求めて宇宙をさまよう都市達は、1930年代の大不況で職を求めてさまよったオクラホマ農民に例え、「渡り鳥」(オーキー, Okie)と呼ばれた。そんなオーキーの一つ、ニューヨークと市長ジョン・アマルフィの冒険を描く連作短編。

 ブリッシュはハードSFと言われるけど、これに限ってはむしろバカSFでしょう。いかにも怪しげでマッドなガジェットがてんこもりで、しかもそれを真面目くさったしかめっ面でカマしてる。例えばアマルフィが都市のマネージャーに装置の動作原理を尋ねるシーン。

 「例の質量クロマトグラフ装置というのはどうだね?」
 「…金属--純粋であれば、どんな金属でも構わない--その金属の大きな円柱をとって、その一端を精製分離したいと思う素材に接触させる。それから、その一端殻上のほうへ、円盤状の電場を走らせると、各種の金属を含む素材は抵抗熱によって運ばれ、円柱のそれぞれ異なる部分に析出する…」

 おいおい、そりゃ無茶だろ。何か意味ありげだけど、実はお話の展開には全然関係ない。語数を稼ぐためか、安物のスペースオペラらしさを演出するために、強引に挿入したんだろう。この作品はシリアスに読み解くというより、デタラメさを愛でる寛容な態度で楽しめばいいんじゃないかな。

 その分、スペースオペラに必要な無茶なガジェットは事欠かない。石頭のAIシティ・ファーザース、同じ恒星系内で反目し合う二つの惑星、陰険な警察と狡猾な都市の追跡劇、銀河の裂け目(リフト)を漂う放浪惑星、他の都市を襲う海 賊都市、あまりに無茶で後先考えない惑星プレートの補強(このアイディア自体はかなりおバカで好き)、禿頭の圧政者と無知な民衆、都市の吹きだまりジャングルなど、怪しげでスケールの大きいガジェットや意味不明な固有名詞が満載。ある意味ワイドスクリーン・バロックやサーバーパンクの先取り…ってのはさすがに無理で、むしろパルプSFの香りが強い。ブリッシュの語り口は流麗とは程遠くて高校の化学教師みたいに堅苦しく、その辺のミスマッチが微妙なところ。あまりエンタテイメント向きの作家じゃないようだ。

 お話はヒーローが活躍する勧善懲悪ドラマではなくて、生活のために職を探す都市の悪戦苦闘の記録なのがいじましい。制御装置に真空管を使っているたり、登場人物が計算尺をいじってるあたりも、いかにも50年代。

 以下、宇宙都市シリーズの一覧。

  1. 宇宙零年
  2. 星屑のかなたへ
  3. 地球人よ、故郷に還れ
  4. 時の凱歌

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2007年3月23日 (金)

クリフォード・D・シマック「都市」早川書房世界SF全集20

 1952年の作だから古臭いかな、と思ったがとんでもない。シマックさんナメてましたごめんなさい。文句なしに傑作です。特に犬が好きな人にはたまらない作品だろう。

 遠い未来。犬が支配する世界に伝わる「人間」の伝説。その真偽は定かでなく、いまも議論が続いている。「かつて人間と言う種族が世界を支配していた。犬と人間は良き友だった。人間は不思議な風習をもち、その風習の多くは概念すら残っていない。」
 そして語られる8つの短編。犬と人間の歴史。人間の滅びの記録。

 なんと言っても一番の魅力は「犬」。特に第六話「道楽」で、主人公ウエブスターと犬のエベンザーが寄り添うシーンは、犬好きでなくとも涙を誘われる。人と犬の双方が自分が居るべき所を見つけた、そんな幸福に満ちた一瞬。同様に第四話「逃亡者」もいい。ペットを飼う者の永遠の夢が描かれている。この短編にはもう一つ大きなテーマを扱っているんでひどくあっさりと流されているけど、それが逆に最近の水増し長編にない古典ゆえの「濃さ」なのかも。

 次に感じるのが、古きよきアメリカ、特に田園生活に対するシマックの深い愛情。これは第四章を除く全編に明確に出ている。暖かい暖炉の前で安楽椅子を揺らしながら木立を渡る風や小川のせせらぎを聞く夜。傍らには愛犬が寄り添って…あー、たまんないね。冷静になって考えると「安くて自由で高速な輸送機関があったら誰も都会なんかに住まないよ、今は仕事のために仕方なく都会に住んでるだけさ」って発想には少し異論もあるけど、読んでる最中は夢中でそこまで気が回らなかった。

 で。単に犬と田園だけなら牧歌的で能天気な良作で終わっていただろうけど、名作たる所以は第四話「逃亡者」からその一端を見せる。私達人間が無意識に持っている特権意識、ありがちな宗教的原理主義の要因の一つでもある客観性の欠けた思考法の足元を掬う、「人間とは何か」という根源的な問いを投げかける。ファウラーの最後の一言は心に刺さった。

 そして人間は静かに滅びていく。なすべき役割を果たし、継ぐべきものへ道を譲り、誇りに満ちながら。

 ロボットの描写などは確かに古臭い感じはある。けど、本質的なテーマと考察の深さはオールタイム・ベストに名に相応しい。ある意味、身も蓋もないエンディングではあるけど、だからこそ名作の称号を捧げたい。冷徹な知性と詩情が高度なレベルで絶妙なバランスを保つ、SFの王道を行く傑作。

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2007年3月21日 (水)

「都市」を借りた

 早川書房の世界SF全集20巻を借りてきた。収録作はクリフォード・D・シマックの「都市」とジェイムズ・ブリッシュの「地球人よ、故郷に還れ」。お目当ては都市。というのも「アイの物語」で思わずこれを連想したから。「人類が滅びた世界で、人類の後継者が語る人類の伝承」とくれば、やっぱり「都市」でしょ、てんで読み始めて今は半分ぐらいなんだけど、オールタイム・ベスト級は伊達じゃないね。詳しくは後日読み終えてから。

 図書館に行く途中、とんでもないシロモノを見た。10歳ぐらいの少女3人が、全員妙なカチューシャをしてる。一人は針金の先にボールが付いた宇宙人みたいなの、もう一人はウサギ耳、もう一人は猫耳。をい、ここは秋葉原じゃないぞ。普通の住宅地だぞ。いいのか?思わず萌え死ぬところだった。いかんよ15歳未満の少女にあんな格好させちゃ。あまりにも似合いすぎる。

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2007年3月20日 (火)

ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」講談社学術文庫

 この手の本にしては文体が平易で読みやすい。「遊び」という切り口で人間の社会と文化を分析している。全体は第一部・第二部・補論・参考資料の4つに分かれている。

 第一部では遊びの分析を試みる。まず、以下四つの分野を挙げる。

  • アゴン=競争:平等な条件下で能力を競う。スポーツやチェスがこれにあたる。
  • アレア=運:偶然が勝敗を決めるもの。要は博打。くじ・ルーレットなど。
  • ミミクリ=模倣:本来の人格を忘れ他の人格を装う。物まね、仮装、~ごっこ。
  • イリンクス=眩暈:知覚の惑乱。メリーゴーランド、ブランコ、スキー。

 その上で、それぞれを更に二つの極でわける。

  • パイディア=遊戯:気晴らし、騒ぎ、発散。
  • ルドゥス=競技:努力・忍耐・技・器用さによって目標に到達しようとする。

 第二部では上記の4分野を基に文化を計ろうとする。原始の社会ではミミクリとイリンクスが主であったが、次第にアゴンとアレアが取って変わったと述べる。

 一般には第一部の4分類が有名で評判がいい。SFでいうセンス・オブ・ワンダーはイリンクスになるのかな。コンピュータ・ゲームはアゴンとアレアの配分が大事だよね。RPGだとそれにミミクリが加わる。経験地稼ぎはルドゥス?試験のあとの開放感はルドゥス→パイディアの落差がもたらすものかも…などと妄想のタネとしてはいいかも。

 第二部も様々な文化の奇妙な風習や博打の紹介が面白かった。コスプレはミミクリの現代社会への再湧出と言えるのかな。

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2007年3月19日 (月)

朝食

 朝食は大抵パンで、メニューもなんとなく決まってる。

  • パン6枚切り1枚に薄切りチーズとレタス、それにケチャップをかけて挟む。
  • ゆで卵1個。
  • オレンジかフルーツのジュース、または牛乳を1杯。
  • ヨーグルト少々ににジャムを混ぜる。
  • たまにバナナを1本。
  • コーヒー1杯。ついでにチョコレート1~2片。

 朝食に特にこだわりはなく、食べるだけならお好み焼きやラーメンだって構わない。和食だと準備に手間がかかるし、食器を洗うのが面倒くさいので、なんとなくパンになった。特に上のメニューなら包丁すら使わなくて済むので楽なんだ。たまには別のメニューにしてもいいかな、と思うんだが、結局は慣れた形に落ち着いてしまう。

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2007年3月18日 (日)

森岡浩之「星界の断章II」ハヤカワ文庫

 星界シリーズ外伝の短編集その2。全部で12編収録。今回は「饗宴」や「戦慄」の類はない。楽しみにしてたのに。初出一覧を見るとドラマCDから4編、フィルムブックから6編、SFマガジン1編、書き下ろし1編となっている。登場人物個々人に焦点を当てた作品が多いのは、まあそういう事だろう。登場人物に肩入れしている人向け。エクリュアが2回も主役を勤めているけど、人気があるんだろうか。

 正直、「この人、誰?」状態で読んだんでよくわからなかったが、とりあえず「嫉妬」のタクリスと「童友」のサグゼールが気に入った。タクリスがスポール閣下の事を知ったら軍に志願するんだろうか。閣下は嫌がるだろうなぁ。

2007.03.19 追加 各編の主役。

  • 併呑:マーティン侵略をアーヴ側から描く
  • 嫉妬:ジント
  • 着任:サムソン
  • 童友:エクリュア
  • 転居:ジント&ラフィール
  • 謀計:レムセール
  • 球技:ロイ
  • 訣別:自主規制
  • 童戯:エクリュア
  • 祝福:ラフィール
  • 変転:ジムリュアの乱を首謀者側から描く
  • 墨守:アーヴの過去 ← 書き下ろし

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2007年3月16日 (金)

山本弘「アイの物語」角川書店

 相変わらず、山本弘は青臭い。だから好きだ。

 出版が角川書店というハンデを背負いながらも「SFが読みたい!2007年版」の国内部門で堂々の第2位とくれば当然大いに期待してしまう。そして、文句なしに期待を上回ってくれた。泣いたよ、ああ、泣いたとも。

 遠い未来。世界はロボットが支配している。人はロボット達の倉庫や輸送車を略奪して細々と生きている。「僕」は食料を盗もうとして失敗し、怪我をしてロボットに捕まってしまう。少女の姿のロボットはアイビスと名乗り、「僕」に物語を語る。人とロボットの歴史を。ただし、「真実は語らない」という条件で。

 全体の枠組みは千一夜物語と同じ、語り部が物語を語る形式の短編集。人とロボットの歴史を辿る形で各短編が並んでいる。前半のテーマは「人と物語」であり、次第に「人とロボット」に移っていく。アイビスが語る物語の中で、次第に世界の謎が明らかになる。
   なぜ人は衰退したのか。
   なぜロボットが世界を支配しているのか。
   ロボットは何をしようとしているのか。
   そして、なぜアイビスは物語を語るのか。

 日本人が日本を知るには、外国で生活してみるといい。日本がどんな特徴を持っているかがよく分かる。
 何かを知るためには、それとは違う、けれどそれと比べられる物があるといい。
 ヒトを知るには、知性を持ち、かつヒトでない存在を、ヒトと比べればいい。例えば異星人とヒト、例えばロボットとヒト。
 だからSFは異星人やロボットを扱う。「人とは何か」に答えるために。ヒトをもっとよく理解するために。

 「詩音が来た日」は、そのSF王道のテーマ「人とは何か」に取り組んだ作品。主人公は老人保健施設で働く介護士、神原。ある日、新規に開発された老人介護ロボット詩音がやってくる。目的は動作検証と、現場で経験を積むこと、つまり教育。神原は詩音のパートナーに指名される。パワーこそあるものの、人の心を持たない詩音は様々な問題を起こす。神原と共に働くうち、教育の成果もあって次第に成長してゆくが…
 見事だ。この舞台でこの表現。実にわかりやすい。否応無しに納得してしまう。本当は納得してないけど、しょうがないよね、私も人だから。
 ところでこのタイトル、梶尾真治の「詩帆が去る夏」と関係は…考えすぎか。

 作家にとって「人と物語」は切実なテーマだろう。前半で語られたこのテーマは「詩音が来た日」「アイの物語でいったん背景に退くが、最後のインターミッションで再び蘇る。
   人はなぜ物語を語るのか。
 山本氏はこの大きな問題に解を示す。ジャンルの枠を超え、全ての文学、いや映画や舞台も含む全ての物語に通用する解を。しかも、SFだけが示せる形で。
 SFが好きで良かった。本当に、良かった。

 各短編のあちこちにオタクの心をくすぐる仕掛けがあるのも嬉しい。社長、そこはマよりむしろセではないかと。

 山本氏のサイトにこの作品の解説と雑誌掲載時のイラストがある。解説は作品を読んでから見たほうがいいと思う。重要なネタをバラしてる。
   山本弘のSF秘密基地:http://homepage3.nifty.com/hirorin/index.htm
   アイの物語:http://homepage3.nifty.com/hirorin/ainomonogatari.htm

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2007年3月14日 (水)

アイの物語

 山本弘の「アイの物語」を読んでる。今、半分ぐらいまできた所。一篇一篇がとにかく濃ゆい。一気に読みたいような、もったいないような。「ミラーガール」で「そばかすのフィギュア」を思い出し、更に泣けてきた。

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2007年3月13日 (火)

ガブリエル・ウォーカー「スノーボール・アース」早川書房

 スノーボール・アース(雪玉地球)仮説を巡る、地質学者たちの研究と論争を生々しく描いたドキュメント。地質学だけに限らず生物学や物理学にまたがる学際的に仮説を検証する部分も面白いが、それ以上に地質学者たちの野性的な生活や確執に満ちたやりとりに紙数を費やしている。あまり科学に興味のない人でも、灼熱の砂漠や極寒の氷原での冒険に興味があれば、充分楽しめる。

 地質学者たちのフィールドワークは、まるでインディ・ジョーンズの一シーンの様にタフで荒っぽい。吹雪のグリーンランドでクレパスに落下し、北極圏で蚊やブヨと格闘し、熱帯のサンゴにドリルをふるい、ナミビアの砂漠で毒を飛ばすコブラから逃げ出す。著者もナミビアで怒れる野生の象と対峙し、その恐怖を語っている。学者というより探検家・冒険家という呼称が相応しい。

 論争の中心となるポール・ホフマンは、一時期マラソン選手を志すほどの強靭な肉体を持つ行動派。性格は強引で傲慢、しかし周囲の人に「ポールに認められたい」と思わせる何かを持っている。北極に憧れカナダ地質学調査書に入るが、トップと諍いを起こして追い出される。
 相棒のダン・シュラグは上品で社交範囲が広く、34歳でブリンストン大学の終身在職権を得るほどの天才。人と衝突しがちなポールのクッション役を果たしつつ、優れた頭脳でポールのアイデアを裏書する説を組み立てる。
 二人で仮説を誕生させる過程もドラマチックだ。ポールはナミビアで採取した炭酸塩岩の炭素の奇妙な性質についてダンに相談する。ダンは見事に謎を解き、激論を交わしつつポールの仮説に引き込まれていく。

 他にも魅力的な人物が多数登場する。初めて全地球凍結の可能性を示したブライアン・ハートランドは、73歳になってもシロクマがうろつく海岸のテントで眠る。凍結からの復元過程を考えたジョー・カーシュヴィンクは、学生に荒唐無稽な仮説とその検証方法を課題として出す。反対派のニック・クリスティー=ブロックは細部にこだわって突っ込みを入れる。ジョージ・ウイリアムズはどれくさにまぎれて更に荒唐無稽な仮説を唱える。

 ウェーゲナーの大陸移動説以来、地質学は激動が続いている。物理学・天文学・生物学と連携しながら、月の生成・ホットプリューム・恐竜の絶滅など、豪快でダイナミックな仮説が大きな論争を巻き起こしている。野次馬としては見ていて実に楽しい。

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2007年3月12日 (月)

早起き

 いつもより1時間早く目が覚めたせいか、今日は月曜日なのに気分がいい。苦手な事務処理もあっさり終わった。朝食が早かったんで昼前はお腹がすいて参ったけど。

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2007年3月11日 (日)

ジョン・スコルジー「老人と宇宙」ハヤカワ文庫SF

 ハインラインの「宇宙の戦士」が好きで、それを宇宙の戦士を茶化されても気にしない、というか茶化して欲しい人向け。

 人類は宇宙に進出した。宇宙は敵対的で多様な異星人に満ちた戦場だった。
 妻に先立たれた75歳の老人ジョン・ペリーはコロニー防衛軍に志願し、地球を後にする。コロニー防衛軍に志願できるのは75歳以上。兵役は最低2年だが大抵は10年勤める羽目になる。地球に二度と戻れず、連絡も取れない。地上での財産は全て失う。地球に住む者にとってコロニー連合は謎に包まれているが、極めて進んだ科学技術を持っているらしい。

 帯にあるとおり、お話は「宇宙の戦士」をなぞっている。というより、パロディに近い。入隊までのくすぐりは好きな人にはたまらないだろう。で、入隊してからは「愛に時間を」だったりする。いい味出してるよアラン。

 主人公のジョンはリコと違って年を取ってる分、落ち着きがある。かといって頑固な堅物というわけでもない。ウケないジョークを連発する余裕もある、常識的で気のいい爺さん。同期で志願した仲間とすぐ打ち解けるあたりは高校生みたいで微笑ましい。

 けど、色々と不満は残る。様々な謎が提示されるんだけど、ほとんど回収されない。なんじゃこりゃと思ったら、解説を読んで判明。続きがあと3冊はあるらしい。私は謎が気になって戦闘シーンとかに今ひとつ没入できなかった。楽しみたければ謎ときは諦めて、冒険物と割り切って読んだほうが吉。とはいえミリタリー物としてもアレなんだよなー。戦闘場面もせいぜい小隊単位で、他兵種との連携とかもほとんどないし。
 何より寂しいのが、パワードスーツが出ない事。カバー見れば出ないのはわかるけど、圧倒的なパワーと機動力と火力で敵を蹂躙し反撃の暇を与えず去ってゆく、爽快感あふれるシーンを期待しちゃうじゃないですか、やっぱり。

 ということで早く全部訳してください内田さん←結局読むんかい

2007.03.12 追加

 なにかが引っかかってもやもやした物が残るなぁ、と思ってたら、coco's bloblog[本] 『老人と宇宙』 ジョン・スコルジーを読んで納得。
 そう、「優しさ」がこの作品の特徴。ジョン・ペリーと奥さんの○○のシーンは良かった。ジョンが奥さんに語りかけた言葉はありふれてるけど、それを語り続けるジョンの想いが切ないんだ。「宇宙の戦士」ってラベルに惑わされてしまった。

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2007年3月10日 (土)

ホワイト餃子

 ホワイト餃子に行ってきた。ホワイト餃子は餃子のチェーン店。といっても大それたシロモノではなく、大抵の店舗は中華風の定食屋といった雰囲気でこじんまりとして目立たない。味とお値段もそんなもんで、例えば焼餃子1人前10個が368円。メニューも焼餃子と水餃子にビールぐらい。

 なんといっても餃子が独特で、形はまるきり団子。いわゆる餃子の形をしていない。おまけに大きい。普通の餃子の倍はあると思う。また、皮がやたら厚いのも特徴で、焼餃子だとなかなか冷めない。おかげで最後までハフハフいいながら食べる羽目になる。今日は焼餃子を食べたけど、実は水餃子の方が美味しい。

 ついでに冷凍の生餃子を30個買ってきた。水餃子と蒸し餃子にして食べよう。

ホワイト餃子グループ ホームページ[ http://www.white-gyouza.co.jp/index.html]

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2007年3月 9日 (金)

榊涼介「ガンパレード・マーチ 山口防衛戦」電撃文庫

 時系列的には九州撤退戦の後、白の章の前。ガンパレード・マーチとガンパレード・オーケストラを繋ぐ作品。単発のおまけかと思ったら、この後もシリーズが続くようだ。つまり、新シリーズ開始の序章。この巻で登場するのは5121の面々が中心で、次に榊版マーチから参加した榊オリジナルの連中。オーケストラの面々は顔見せ程度。悲しいことに遠坂と田辺の出番がない。口絵がすごいことになっているのは榊氏の意気込みの表れかな。芝村色が薄れて榊色が濃くなる予兆かも。

 これから読み始める人には同シリーズの「5121小隊の日常」から刊行順に読むことを勧める。広崎版の「高機動幻想ガンパレードマーチ」は無視していい。あれはコレクター向け。

 自然休戦期になっても、おなじみ5121小隊の面々は相変わらず軍にいる。善行は東京で予算交渉に奔走、原は研究所で例のアレ、茜は士官学校、田代は茜について看護学校。他の面々は山口で待機やら教官やらしながら、のんびりと夏を過ごしていた。そこへ突如幻獣が自然休戦を破り、山口侵攻を始めた。

 この巻は幕開けといった感じで、戦闘シーンもアクセント程度。5121も集結し終わってないし、榊氏の本領発揮はこれからだろう。今までのシリーズではただの学兵だった連中も少しは成長して、多少性格が変わってきている。その辺が不安でもあり楽しみでもあり。

 残念なのは(違う意味で)闇を背負う者たちの掌編がない点。3人が揃う場面がないせいだろうか。

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2007年3月 8日 (木)

SFマガジン2007年4月号

 チャールズ・ストロスの「ローグ・ファーム」がいい。シンギュラリティ後、人口が激減した地球に残った人々を描く。主人公は老夫婦ジョーとマディ。所有者がいなくなった農場に勝手に住み着いて半農半畜の生活をしている。そこに「ファーム」と呼ばれる邪魔者が現れ…
 なにせストロスの描く世界だから、少し、いやかなり今の農家とはズレている。主人公の二人が最初にファームと対峙するシーンや、ジョーと牧羊(?)犬ボブのやりとりとか、とことんおバカなモンティ・パイソン風で楽しい。

 小川一水「千歳の坂も」は、今までの彼の作風とはだいぶ味わいが違う。従来得意としてきた、骨太でありながら細かい設定や構成に拘った本格的な作品じゃない。情緒的な余韻を狙った感じがする。
 不老不死が実現した未来。政府は「健康である事」を義務として国民に課した。しかし、延命措置を拒否して自然な老化に身を任せる者がいた。役人の羽村は、延命拒否者の老女に延命措置を勧めるが…
 不老不死が実現する経過が実もふたもなくて小川一水らしい。エンディングも、ある意味この作者が一貫して書き続けているテーマに沿っているように思う。

 林譲司「大使の孤独」はAADD シリーズの密室殺人ミステリ。異性人ストリンガーとのコミュニケーションは遅々として進まない。人類と異星人は、宇宙ステーションで少人数の共同生活を通して意思疎通を図る実験を始める。しかし、エアロック内で人類のペロシが外傷を負って死亡する。現場にいたのは異性人の使者「大使」のみ。ペロシは殺されたのか?だとすれば異性人の動機は?
 ラストでセイバーヘーゲンのバーサーカー・シリースを思い出した。

 椎名誠のエッセイは…おっさん、なんじゃそりゃ。いや好きですけどね。あまりにSFマガジンのイメージと違うテーマなんで。

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2007年3月 7日 (水)

サイクルトレイン 2

 サイクルトレイン関連 blog を集めてくれた人がいる。

サイクルトレイン[ http://www.blog-headline.jp/life/archives/2007/03/post_959.html]

 図に乗って、ちょっと追加。

 サイクルトレインには、いくつかの運用方法があると思う。欧州には私が知る限り少なくとも2種類がある。

  • 特急などの長距離列車。貨物車に自転車を収納する。ブリュッセル~ルクセンブルグ間で実際に乗 った。
  • 各駅停車などの近距離列車。特定の車両に自転車を収納する専用の場所がある。具体的には最後尾 の客車の後部がオープンデッキになっていて、そこに自転車を積む。ダブリン近郊で見た。

 いずれサイクルトレイン専用仕様の車両があり、人と自転車は別の車両に乗る。どちらもカーフェ リーの列車版と思っていい。この方式を日本に導入しようとすると、少なくとも2つの問題点が思いつ く。

  • サイクルトレイン専用仕様の車両を作るので、費用がかかる。
  • 自転車の積み降ろしのため、駅の停車時間が長くなる。

 既存の客車をそのまま使い、人と自転車が同じ車両に乗る日本のサイクルトレインとは、少しイメ ージが違う。自転車の地位が高く、駅間が長い欧州だからできる話だろう。専用仕様の車両をあつらえる欧州型は、当面期待できそうにない。

 先のリンク集を漁ってたら、面白い事を考えている人がいた。自転車ステーションという案。

サイト:今日も自転車は走る。[ http://yassiblog.cocolog-nifty.com/blog/]
頁:つくばエクスプレスにサイクルトレイン導入? つくば自転車事情 (5)[ http://yassiblog.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/5_873a.html]

 ただ、やっぱりレンタサイクルじゃなく自分の愛車に乗りたい。そこで、宅急便が絡むと面白いかも。観光地の自転車ステーション~最寄りの自転車ステーション間を、宅急便で自転車を運べたら嬉しい。スキー宅急便ならぬ自転車宅急便。ただ、自転車はかさばるので、宅急便業者がその気になってくれるか否かがネックかな。

 おまけで3月5日の朝 日新聞の記事。

自転車を列車内持ち込み「サイクルトレイン」 5月まで[ http://www.asahi.com/life/update/0305/001.html]

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2007年3月 6日 (火)

 近所のスーパーで苺が安かったんで買ってきた。砂糖をまぶして牛乳をかけて食べる。いいねぇ。あんまり沢山食べるとありがたみが薄れるんで少しづつ食べよう。貧乏性だからじゃじゃないぞ。お腹が弱いんで一度に沢山食べると調子が悪くなるんだ。そーゆー事にしたいんです。
 ついでにフロマージュブランも買ってきた。これ、前にも何回か買った事があるんだけど、名前を覚えてなかった。今日、ここに書くためにあらためてパッケージを読んで、「フロマージュブラン」という名前だと確認した次第。そんな洒落た響きの名前だなんて知らなかったな。

 試しに背景に画像を貼ってみた。スクリプトで自動生成したシロモノ。ノイズがうるさくて文章が読みにくいんじゃないかと少し心配。

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2007年3月 5日 (月)

キャベツのカレー

 今度はキャベツでカレーを作ってみた。白菜同様、水をほとんど入れずにキャベツを煮ると、キャベツが汁を出す。煮崩れたところで他の具を入れる。白菜と違ってあまりまろやかにはならなかった。

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2007年3月 4日 (日)

SFマガジン編集部編「SFが読みたい!2007年版」早川書房

 おまつり本。2005年11月1日~2006年10月31日に刊行された新作SFの人気投票、国内と海外のベスト20がメイン。それに加えてライトノベル・伝奇・ファンタジィ・ホラー・ミステリ・ノンフィクション・コミック・映画・アニメなどの関連分野の注目作の紹介もある。おまけで2000年代前半のSFベスト30、SF関連書籍・映像作品の目録も載ってる。

 国内1位は予想通りだったけど、海外の1位は想定外だった。なんか今年の海外は国書刊行会が嵐を巻き起こしてる。国内は、「なんか知らない人がずいぶん出てきたなぁ」って印象。いや、これ見るまで有川さん知らなかったし。

 意外と拾い物だったのが浅倉久志さんのインタビュー。なんて弱気な人なんだ。エッセイを出したなんて知らなかったなぁ。

 給料日前に読むもんじゃないね。地獄を見た。お陰で有川さんを一気に3冊買い込んで、他にも数冊購入予定が詰まってしまった。暫くはSF漬けになりそう。最近は書店になくても Amazon なんて便利なモンがあるから油断できない。どうしてくれる。おまけに今月は星界の断章IIにガンパレも出るし。

 今年の予定じゃ「敵は海賊」が楽しみ。「揺籃の星2」はいけどさ、「ブルーマーズ」はいつになるの、東京創元社さん?

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2007年3月 3日 (土)

ヘンリー・ペトロスキー「橋はなぜ落ちたのか 設計の失敗学」朝日選書

 橋の崩落などの具体例をひもとくケーススタディを通して、設計の失敗に共通する点を探っている。著者は説く。成功例より失敗例にこそ学ぶべき点が数多くある、と。全くその通りだと思う。

 書名が示すように、橋の例が多い。特に後半は鉄橋の設計史の感がある。図版や写真が多くて面白い。
 従来の木材や石材に替えて鉄を使い始めた当初、設計者は慎重に事を運ぶ。考えうる限りの破損に対し対策を施し、大き目の安全率を見込み、模型を作って検証する。数多くの成功を積み重ねるにつれ、より長い橋に鉄が使われ始める。成功を積み重ねるうちに経済性や美観を追求するため、次第に安全率を小さく取るようになる。やがて、初期は見逃されていた、だが充分な安全率の為に問題にならなかった、「力」が、規模の拡大とともに大きな影響を及ぼすようになり、ついに橋が崩落する。ちょっと Youtube を漁ったらありましたよ、有名なのが。

タコマ橋の崩落 Tacoma Narrows Bridge Collapse
http://www.youtube.com/watch?v=maxv71MLJ-w

 しかし、短い棒より長い棒のほうが折れやすい理由、感覚じゃわかるけど、力学的にちゃんと説明しろと言われたらできないなぁ。

 関係ないけど、近所のスーパーでこんなの見つけたんで買ってしまった。

 写真: http://www.morinaga.co.jp/newprod/2006-11/img/new_b02.gif
 記事: http://www.morinaga.co.jp/newprod/2006-11/

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2007年3月 2日 (金)

北村薫「六の宮の姫君」東京創元社

 円紫さんシリーズ。芥川龍之介「六の宮の姫君」と今昔物語、そして当時の文壇をめぐる文芸ミステリ。芥川とその時代が好きな人にはたまらない作品…なんだろう。

 ごめん。肝心のテーマの部分はいまいちピンとこない。たぶん自分が文学を全然知らないからだと思う。ただ、「私」が卒論を書く過程の描写は面白かった。真面目な文学部の学生はこんな風に卒論を書くんだ。

 「私」と円紫さんさんの関係が少し変化してる。成長したって事なんだろうか。

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2007年3月 1日 (木)

竹山聖「独身者の住まい」廣済堂

 建築家(兼京都大学助教授)が書いたエッセイ集。具合的なノウハウを羅列したハウツー本を期待したんだが、全然違った。まあ、ロクに確かめもせず読み始めた私の勘違いなんだけど。

 タイトル通り、「独身者の住まい」を通じて、人々の生活・家族関係の変化・お役所の規制の矛盾・古今の映画・ポップミュージックなどを、穏やかに親しみやすく語りかけてくる。肩の力を抜いて、ラジオを聴く感じで読むといいかも。

 例えば映画なら「いちご白書」「氷の微笑み」「イヤー・オブ・ドラゴン」「ユー・ガット・メール」「家族ゲーム」などが出てきて、それぞれ住まいを通して分析してる。そういえば「イヤー・オブ・ドラゴン」のヒロインの部屋って、確かにとんでもないレイアウトだったね。部屋の真ん中に風呂があるなんて。掃除はどうするんだろう…なんて考えちゃうのは私が貧乏性だからか。

 図書館シリーズでヒートアップした頭を冷やすのには、ちょうどよかった。

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